2011-01-01から1年間の記事一覧

積み残し(続きの続き)。

積み残しの紅葉、続きの続き。 2週間前、孫娘の初宮詣について記した。その神社に設えられていた茅の輪の側に、小林一茶の茅の輪の句が書かれていた、と。一茶は、下総の地とは縁が深く、第二の故郷としていた、とも。 信州信濃柏原で生まれた小林一茶、1…

積み残し(続き)。

積み残し、紅葉の続きを。 東博の秋の庭園解放、今年は今月の11日まで開いていた。常の年よりやや遅くまで。この秋は、どうも紅葉するのが少し遅いそうだが、終わり間近かの今月初めの模様を幾らか。 庭園内、落ち葉が散り敷いている。 東博の庭園、さほど…

積み残し。

今週初め、禁煙薬投与8週間後の呼気検査、一酸化炭素濃度、非常に低い値。非喫煙者のレベル。医者がヒェーと言った、当初のレベルからは劇的な低下。看護婦、「全く吸っていないようですね」、という。「そうです。吸っていない」、と答える。 その間、季節…

年の瀬のゴールデン街。

昨日の話である。 夕刻、古い友R.H.と待ち合わせ、犬飼三千子展へ。早い時間である故、まずはおでん屋で飲む。 入った時にはまばらだった店内、6時すぎ出る頃にはどっと混んできた。祝日や連休などにはとんと疎くなってきたが、世間では、翌日から3連休…

キッチュ。

小泉純一郎は、その印象を「快活な感じを受けた。独裁者や暗いというイメージはなかった」、と言っている。そりゃそうだろう。ニッコリ笑って人を斬る、というような男でなければ独裁者失格だ。その資格を充分すぎるほど持ち合せた男であった。 当時の韓国大…

初宮詣。

孫娘生まれ今日で丁度一か月。昨日、双方のジジババも含め初宮詣に行った。 娘夫婦が近場の神社の中からウェブサイトで選んだ神社、行ってみるととても大きな神社であった。創建は大同2年(807年)、下総一帯の神さまとして1200年の歴史を今に見る、…

古き良きアメリカ。

20世紀はアメリカの時代であった。 圧倒的な産業力、圧倒的な経済力、圧倒的な軍事力、必然的にそれらからもたらされる圧倒的な政治力。世界の主役は、ヨーロッパからアメリカへ移った。ソ連の崩壊で消えたが、一時、パックス・ルッソ・アメリカーナと言わ…

浄土ヶ浜。

日本表現派展に同人・山本宣史の作品を観に行く。都美術館が改修中故、会場は、今年も北千住マルイの上のシアター1010。都内ではあるが、やや都落ちの感は否めない。 今展の山本宣史の出品作。 日本画。タイトルは、「浄土ヶ浜」。 やけに縦に長い作品だ…

十八界能面展。

ひと月以上前になるが、先月初め、銀座静月堂画廊で十八界の能面展があった。 30点ほどが出品されていたが、十八界の主宰者・岸本雅之の作品3点のみを紹介する。 左から、狂言面 賢徳、能面 小獅子、能面 万媚。 狂言面 賢徳。 <横睨みの丸い瞳と口辺が…

なにやら知らねど美しい。

麻酔薬を使う場合、相撲取りのようなヤツと蚊トンボみたいなヤツでは、その使用量が異なる。 禁煙薬でも、原理は同じはず。医者は、頑張って飲めというが、終日気分が悪いのはイヤなもの。何日か前から、個人的判断で飲む量を減らした。錠剤をハサミで切り、…

真珠湾70年(続きの続き)。

佐藤優の著『日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み説く』の上梓は、5年前、2006年である。この年は、極東国際軍事裁判(東京裁判)の開廷60周年にあたる年。 佐藤優は、<戦勝国がA級戦犯の罪状とした「平和に対する罪」のような、太…

真珠湾70年(続き)。

昨日、久しぶりにブログを書いたが、今読んでみると、碌なことを書いていないな。ボーとした頭で、そこには、今日は12月8日である、ということだけがある、ということになっている。 気ままなブログ、論理的整合性など、もとより考えの埒外であるが、梵百…

真珠湾70年。

真珠湾への奇襲から丁度70年となる。 奇襲は成功した。しかし、副産物が残った。”卑怯、卑劣なジャップ”、という汚名が。今日流れた数少ないテレビ映像の中にも、ルーズベルトがこの言葉を使っている個所があった。 自衛の戦争の場合には、必ずしもハーグ…

薬、そして、GPH。

薬というものは凄いものである。尋常なものではない。 禁煙薬を飲みだしてから一か月になる。服用一週間後からタバコを吸わなくなった。50年以上に及ぶ喫煙がピタリと止んだ。禁煙の苦しみもない。不思議なものだ。凄い薬だ。しかし、その代償も凄い。副作…

孫生まる。

昨夜半、今日への橋渡しの時間、孫が生まれた。 出産に立ち会った婿殿から電話があった。今、生まれた、と。電話を取ったカミさんは欣喜雀躍、「よかった、よかった」、の連呼。それを聞いた私は、「そうか、生まれたか」、と一応冷静を装うが、心の中では、…

禁煙チャレンジ、ブログ休載。

タバコとの付き合いは長い。高校の頃からだから50年を超える。 若い時、長く結核療養所に入っていた時も吸っていた。結核の治療、大気、安静、栄養という時代ではなくなり、パス、ヒドラ、ストマイという化学療法の時代になっていたこともある。隠れて吸わ…

表慶館の佛。

お釈迦さまが悟りを開かれたのは、紀元前5世紀半ば過ぎ。不思議なことに、その後500年以上、佛像が造られることはなかった。礼拝の対象は、仏舎利や仏塔(ストゥーパ)など。 最初に佛像が造られたのは、クシャーン朝の版図の二つの地。今の、パキスタン…

スカイツリーに鳥。

東京スカイツリー開業まであと半年。あちこちに”スカイツリー、このアングル”、といった写真が出ている。 しかし、このアングルは、まだ見たことがない。東博の本館と平成館の間から見えるスカイツリー。狭い隙間から、スカイツリーの上半分が見える。時折行…

ヨコハマトリエンナーレ2011(11)。

日本郵船海岸通倉庫の裏口を出ると、すぐ目の前には、こういう風景。 正面向こうの先は、新港ピア。横浜だなあー。 電柱が邪魔だが、その一部を取り出すと、フェルメールの『デルフト風景』。 右側の向こうには、ベイブリッジを吊る塔が見える。横浜だ。 左…

ヨコハマトリエンナーレ2011(10)。

アートというもの、所詮は個人の営為である。個の世界を創り出す。 「OUR MAGIC HOUR」はいいとしても、「世界はどこまで知ることができるか?」は、なかなか大変だ。世界とのつながり、世界への発信、アートというもの、もとより、主張すること…

ヨコハマトリエンナーレ2011(9)。

この部屋に入った時、作品がどこにあるのか、暫く解らなかった。 この人は何かを見ているようだ。しかし、どこにあるんだ。 少し歩いていると、あった。 天井から床まで、薄くて細いテープが張られている。見る角度によって、見えたり見えなかったりする。よ…

ヨコハマトリエンナーレ2011(8)。

現代美術、インスタレーションが多い。今回のヨコトリでも、その半分ほどはインスタレーション、と言っていいかもしれない。 一昨日のオノ・ヨーコの『迷路の中の電話』も、昨日のヘンリック・ホーカンソンの『倒れた森』も、山下麻衣+小林直人の『土から作…

ヨコハマトリエンナーレ2011(7)。

シャトルバスで、もうひとつの主会場・日本郵船海岸通倉庫へ。 もともと船会社の倉庫だから、このような催しには、かえって面白い。 1階入ってすぐの部屋には、カバがいた。でっかいカバと、大きな口。 デワール&ジッケル作『Untitled(無題)』。…

ヨコハマトリエンナーレ2011(6)。

横浜美術館、1階出口近くには、ビッグネームが待っている。 オノ・ヨーコ作『迷路の中の電話』 何重かのアクリルの板で囲まれた中に電話機が見える。 一度に4〜5人ずつ、アクリルの迷路の中に入っていく。靴を脱ぎ、持ち物を横の棚に置き。 アレッ、電話…

ヨコハマトリエンナーレ2011(5)。

究極のリアリズムは、いつの時代でも先端表現のひとつ。今も。 池田学の『コヨーテ』。 紙にアクリルインクを用いたペン画。ハイパーリアリズムだ。 動物であれ、植物であれ、人物であれ、ハイパーリアリズムの絵画、写真と異なり、どこか妖気を内包する。 …

ヨコハマトリエンナーレ2011(4)。

今回のヨコハマトリエンナーレ、なぜ面白いのか、少し考える。 実は、今までのヨコトリも面白かった。お祭りのような楽しさ、面白さがあった。 1回目だったか2回目だったか、会場で、若い作家の小さな布の人形を買ったことがある。今も、私の部屋にぶら下…

ヨコハマトリエンナーレ2011(3)。

今回のヨコハマトリエンナーレの特徴のひとつは、コンテンポラリーアートと横浜美術館の所蔵作品とのコラボ。 だから、階段を上がってすぐの部屋には、ブランクーシの彫刻が目の前に立ち、その周りにルネ・マグリットやマックス・エルンストの作品がかかって…

ヨコハマトリエンナーレ2011(2)。

入口を入るとすぐ正面、大きな渦巻きのような作品がある。 イン・シウジェン(尹秀珍)の作品。タイトルは、『ワンセンテンス』。 大きいので、2階から撮った。昨日は、ウィークデイ。来ている人は少ない。 白い渦巻きの中を、人が歩く。丸く巻かれたものが…

ヨコハマトリエンナーレ2011(1)。

久しぶりで横浜へ行った。何人かの友人と語らって、ヨコハマトリエンナーレ2011を観に。 ヨコハマトリエンナーレ、今回が4回目である。毎回行っているが、今回は、過去3回とやや趣きを異にする。横浜美術館が、主会場のひとつとなっている。コンテンポ…

ツレがうつになりまして。

この人たちの人生は幸せだ。 ほんわかー、とした若い夫婦。子供はいない。ハルさんという女房は、売れない漫画家。彼女がツレと呼ぶ亭主は、クソ真面目なサラリーマン。 ある時、ツレが、「死にたい」、と言う。小さな会社の平社員、クソ真面目なだけに、仕…