2015-01-01から1年間の記事一覧

TOKYO 見えない都市を見せる展(続き)。

<1980年代、東京は華やかな文化都市でした>、と主催者は言っている。 それから四半世紀、バブルの崩壊や大震災を経てきた現在、<東京は文化都市として、どのような姿を世界に、またここに住む私たちの前にあらわしているのでしょうか>、と主催者は問…

TOKYO 見えない都市を見せる展

MOTの東京アートミーティング第Ⅵ回展、「TOKYO 見えない都市を見せる」、と謳う。 木場からバス、不便ではあるがここへはよく来る。 「”TOKYO”を読み解く10のキーワード」、このようなものだそうだ。 <1980年代、東京は世界的に注目され…

オノ・ヨーコ 私の窓から展。

「YES オノ・ヨーコ」展が水戸芸術館で催されたのは、2003年の今ごろである。その時の図録を引っ張り出すと、あちこちにリキの入った書きこみをしている。 1962年、銀座の村松画廊でのパフォーマンス会場に入ってきた髪の長い女、それがオノ・ヨ…

東洋文庫 孔子から浮世絵まで展。

昨日記した永青文庫での春画展は、日本初の春画のみの本格的な展覧会である。が、1年少し前、東洋文庫で、ある程度まとまった春画が展示された展覧会が催された。 永青文庫は、肥後の殿様・細川家のコレクション。東洋文庫は、三菱財閥・岩崎家のコレクショ…

永青文庫 春画展。

一昨年10月から昨年初めにかけて大英博物館で催された「春画展」は、9万人を動員し大盛況であった、という。その模様を当時、「藝術新潮」では大特集を組んでいた。このところの「藝術新潮」、その扱いに多少の違いはあるが、年に一回ほどは春画がらみの…

国立駅前大学通り 彩の会展。

これも11月下旬、山宣のグループ展を見に国立へ行った。案内ハガキには、<大学通りも色づいて・・・>、と記されている。 国立駅前から南へ延びる大学通り、案外広い通りである。しかし、やはり常に比べて暖かな今年、山宣が言うほど色づいてはいない。 …

一茶双樹記念館 小菊盆栽展。

11月下旬、その近場に用があったので、一茶双樹記念館へも寄った。庭は色づいているかな、と思い。 小林一茶、享和3年から文化14年にかけての15年間に50回以上、流山の醸造家・秋元双樹の元を訪れている。俳人と商家の大旦那、単なる俳人とパトロン…

ノエル。

1週間少し前、封書が届いた。 封を切ると・・・ 手触りのいいやわらかな和紙が折られたものが出てきた。 中ほどがほんのりと赤く見える。 開けると、Joyeux Noel の文字。 差出人は、河瀬和世。 河瀬さん、この春、横浜三渓園の旧燈明寺本堂で”縄文のいのり…

荻野美穂子展。

この人の絵を初めて見た時、こう感じた。 不思議な絵だな、面白いな、独自なものがあるな、凄いな、と。 クレパスで描いている。 日常見ている絵のほとんどは、その顔料は、油でありアクリルであり水彩であり、日本画である。クレパス画というものはほとんど…

黄金のファラオと大ピラミッド展。

「ホンコンに長いよ」の中国文明も長いが、ナイル沿いのエジプト文明もハンパじゃなく長い。どこからかってことにもよるが、まあ、5〜6000年と言ってもいい。 地下鉄の六本木駅から地上に出、六本木ヒルズの方へ歩く。 ヒルズでの催し物のポスターが貼…

始皇帝と大兵馬俑展。

紀元前221年と言うから、今から2200年以上前になるが、秦国の王・嬴政(えいせい)、中国大陸を初めて統一し、「始皇帝」を名乗った。 ひと月前の東博正門前。 秦、元々は小さな国であった。しかし、時代は春秋戦国時代。徐々に版図を拡大、ついには…

アート オブ ブルガリ展。

こんなのオレには関係ないなブルガリなんて、と思っていた。 「130年にわたるイタリアの美の至宝」なんて言っても、所詮はブランドものなんだろう、と。 ひと月少し前の東博正門前。 表慶館で催されているんだ、「アート オブ ブルガリ」展。 無味乾燥の…

ギャラリー新宿座 石田宏・街々邑々展。

今年も残り半月を切った。この雑ブログに何を記そうか、と考えた。 夏前から溜まっている映画もある。が、それは後回し、展覧会の模様を記そう、と思う。 昨日の夕刻6時すぎ、新宿3丁目の表通りから一本裏に入った道を歩いていた。石田宏の「街々邑々」展…

パソコン不調。

パソコンを買い替えてからひと月以上となる。何とか使っているが、時々おかしくなる。昨日もおかしくなった。 昨日のブログ「早稲田美研60−70 後片付け」、おしまいのほうの3枚の写真のキャプションが抜け落ちている。それ以前のところも、打ち直したも…

早稲田美研60−70 後片付け。

私たちの今回のグループ展、昨日が最終日。終わった。 しかし、ずっと体調がすぐれないこともあり、その模様昨日は記さず、今日も、また明日にしようか、と思っていた。一日延ばしに。 が、今日、仲間の吉岡から出展者宛にメールが来た。忙しくて行けなかっ…

早稲田美研60−70 第8回展。

早稲田美研60−70展、3年に一度から2年に一度となり、さらに今は1年半に一度の開催。第8回展となった。 いつも通り神田駿河台下の文房堂ギャラリーで。今週いっぱい。 7日、私が着いた時にはオープニングが始まっていた。 早稲田美研の私たちより上…

グループ展搬入日。

学生時代の古い仲間とのグループ展、今日、搬入日。第八回展となる。 1時から4時まで飾りつけ。体調が悪く来られない人もいる。私も風邪で頭が重く痛い。 故に、搬入日の模様、ネームは端折り、写真のみで追うこととする。 1時すぎ。 展示に取りかかる。 …

生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり。

3日前、信州に住む義弟が死んだ。 私の連れあいの妹の亭主である。知り合ったのは40年近く前、結婚の遅かった私が結婚する前後、10ばかり年下の彼は既に結婚し、子供もいた。 長野県は精密機器関係の会社が多いところで、彼もそのような会社に勤めてい…

FOUJITA。

山口小夜子からおかっぱ頭続きで、おかっぱ頭の先達・藤田嗣治へ即、と考えていたのだが、風呂でスウー、フラーとなり暫らく動けなくなって以来、ここ数日やはり何かヘン。雑ブログと言えど、手をつけられなかった。 研究論文を書いているワケじゃなく、潜在…

スウー、フラー。

昨日は夕刻から家で酒を飲んでいた。夜のテレビニュースでは、「今日はいい風呂の日であります」、ということを話していた。11月26日はゴロ合わせで”いい風呂”となる、と。翌日は人と会う用もあるし風呂に入ろう、と思った。 酒を飲んだら風呂に入っちゃ…

氷の花火・山口小夜子。

山口小夜子が57歳で急死してから8年となる。しばらく前、その模様を3回に亘り記述したが、夏前にはMOT(東京都現代美術館)で大規模な企画展が催された。今度は、待たれていたドキュメンタリーである。 山口小夜子が残した膨大な数の服やアクセサリー…

デヴィッド・ボウイ・イズ。

1947年生まれのデヴィッド・ボウイ、今年、デビュー50年となるそうだ。一昨年2013年、ロンドンのV&A(ヴィクトリア&アルバート博物館)で「David Bowie is」という大回顧展が催された。V&Aの長い歴史でも最もチケット入手が難…

愛と哀しみのボレロ。

『愛と哀しみのボレロ』、1981年の作品、30年余の時を経てデジタル・リマスター版として蘇えった。 1930年代から1981年まで約半世紀にまたがる物語。第二次世界大戦前夜からナチスの勃興、ヨーロッパ各国への侵攻、ユダヤ人狩り、独仏、独ソ戦…

納めの場所、楽日も美しくなかった。

一年納めの九州場所、今日、その千秋楽。 今場所さほど見てはいないが、千秋楽の今日の土俵も相撲の美からはほど遠いものであった感がしてならない。 カド番大関の豪栄道、今日まで7勝7敗、相手は勝ち越している栃煌山。攻めこまれるが、首投げで勝つ。栃…

心に残る死。

相撲取りは概ね短命な人が多いが、この人もそうであった。 第55代横綱、現日本相撲協会理事長・北の湖が死んだ。今朝救急車で病院へ運ばれ、夕刻死したという。享年62。 北の湖、史上、最も若くして横綱となった。強いなんてものじゃなかった。”憎たらし…

ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏。

”これぞロシア”という世界に冠たるものが二つある。 そのひとつは、4日前のパリ、そして今日もパリの北、サンドニでの銃撃戦でテロリストが用いたAK47・カラシニコフ自動小銃である。この6〜70年、革命家であれテロリストであれ彼らが身につけたのは…

ヴィヴィアン・マイヤーを探して。

2007年、シカゴのオークション会場。歴史好きの青年がネガ・フィルムがぎっしり詰まった箱を、わずか380ドルで競り落とした。撮影者の名は、ヴィヴィアン・マイヤー。競り落とした若い男の名は、ジョン・マルーフ。 ヴィヴィアン・マイヤーって何者だ…

ターナー、 光りに愛を求めて。

イタリア、スペイン、フランス、さらにはフランドル、といったヨーロッパ世界において、アートの分野でのイギリスの存在感はやや薄い。これはとびきり桁外れに凄いという絵描きは、ターナーと近場のフランシス・ベーコンの二人のみといっても過言ではない。 …

百日紅。

江戸時代も後期である。江戸の町は活気にあふれている。女浮世絵師・お栄は、親父と犬と居候のような若い男と共に長屋に住んでいる。掃除などはしないから、部屋の中は汚い。親父もお栄もそんなことは気にも留めない。 お栄の親父の名は葛飾北斎。レオナルド…

ビッグアイズ。

ゴーストライターはどの世界にもいる。一般によく知られるのは文章の世界であるが、音楽分野、美術分野、どの世界にも存在する。絵の場合には、ゴーストペインターとなろうか。 監督:ティム・バートンの『ビッグアイズ』、<ウソのような本当の話>と記され…