ツレがうつになりまして。

この人たちの人生は幸せだ。
ほんわかー、とした若い夫婦。子供はいない。ハルさんという女房は、売れない漫画家。彼女がツレと呼ぶ亭主は、クソ真面目なサラリーマン。

ある時、ツレが、「死にたい」、と言う。小さな会社の平社員、クソ真面目なだけに、仕事のストレスがより溜まる。彼を指定して電話をかけてくるクレーマーのような男もいるし。医者に行くと、うつ病だ、と診断される。
うつ病、心の風邪だと言われるが、バカにできない病気だ。治るまでには長い時間がかかる。医者、そういうことを言う。
女房のハルさんも、それまでの雑誌の連載を打ち切られる。読者の人気が得られないから、と。困っちゃうな、二人とも。
ツレも、だんだん辛そうだ。自分で作った弁当を持って会社に行っても、食べたくなくなるし、満員電車に詰めこまれるのも辛い。しかし、自分が会社へ行かないと会社も困る、なんてことを思っている。生真面目を通り越し、クソ真面目なヤツなんだ。うつになるタイプではあろう。
ついには、自殺騒ぎも起こしてしまう。もちろん、未遂だが。ハルさん、ツレにこう宣言する。「会社辞めないなら、離婚する」、と。いいカミさんだ。

監督は、佐々部清。主演は、宮崎あおいと堺雅人。のほほーん、とした若い夫婦にピタリ。ガンバラないぞ!、という二人に。ハート・ウォーミングって、こういうことじゃないかって思っちゃう。
なお、上の写真の右の方にいる緑色のヤツは、イグアナだ。二人が飼っている。名前は、イグ。イグアナのイグ、部屋の中をノソノソと歩きまわったり、二人の膝の上で眠っていたりする。ノンビリとして、その性格、飼い主に似ているように思われた。
原作は、細川貂々。彼女とツレとの実体験に基づいたお話。温かい。