浄土ヶ浜。

日本表現派展に同人・山本宣史の作品を観に行く。都美術館が改修中故、会場は、今年も北千住マルイの上のシアター1010。都内ではあるが、やや都落ちの感は否めない。
今展の山本宣史の出品作。

日本画。タイトルは、「浄土ヶ浜」。
やけに縦に長い作品だな、と思ったら、展示されていたのは右半分のみ。貰った同展図録には、左右合わさった写真が載っている。天地1818mm、左右2273mm、大きな作品だ。そこそこ広い会場だが何しろ出品者が多い。同人といえど、削れるところは削っているらしい。
それよりも、図録の写真で見ると、左側の絵はモノクロだ。水墨画であろう。つまり、右は岩彩、左は水墨、左右合わせて一幅の絵、ということになる。そのようなもの、見たことはない。その必然、あるかどうかは解からぬが、ひとつの趣向であるには違いない。洒落ている。
3.11の大津波は、三陸沿岸全面を襲った。岩手宮古の浄土ヶ浜も襲われた。石灰質の白っぽい奇岩が描かれている山本の作品、おそらく大震災前の浄土ヶ浜の光景であろう。
しかし、海の方だけを見れば、今もさほど変わらないのかもしれない。奇岩に松。問題は、陸の方。東北人、粘り強いが。