2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

おみおくりの作法。

『悼む人』の坂築静人は、不慮の死を遂げた人を悼む旅を続けている。日本のあちこちを。「あなたは誰に愛され、誰を愛し、どんなことで人に感謝されていたか」、ということを心に留めるため。 イギリスにもそのような、死者に思いをいたす男がいる。 ロンド…

悼む人。

近所の小さな学校へ通っている。散歩の延長のようなものであるが、9年もの年数にもなるので、その時々、クラス会をすることもある。 2、3年前のクラスメイトにNさんとYさんがいる。 日常は、ピアノと英語とテニスという優等生タイプのNさんが音頭をと…

沖縄を想う。

昨日は歌舞伎町のハシゴ酒。 酔いに酔い、フラフラへとへとで帰ってきた。当然のこと、日を跨ぎ。そもそも昨日の主目的は、ゴールデン街のバー「十月」へパー券を買いに行くことであった。で、十月所縁の連中が集まった。 しかし、安い居酒屋・清龍で下ごし…

新宿 歌舞伎町。

古い学生時代の仲間の何人かと紀伊国屋の前で待ち合わせ、歌舞伎町へ。 まずは区役所通りの居酒屋、清龍へ。 安い、早いの清流だ。 どうぶつ社の久木、四六時中絵描きの山宣、チェンマイ、日本、行ったり来たりの高橋。面貌をさらしてもどういってことない、…

新宿スワン。

今年2月に発表された第88回キネマ旬報ベスト10と個人賞、主演女優賞は『0.5ミリ』と『百円の恋』の安藤サクラであったが、主演男優賞は『そこのみにて光輝く』の綾野剛であった。 また、今秋公開予定の最新作で綾野剛を使っている堤幸彦は、「10年…

海街diary。

「4姉妹もの」である。『細雪』の4姉妹は、芦屋の「おひいさん」の物語であるが、『海街diary』の4姉妹は鎌倉のごく普通の娘さんたちの物語。共通するのは、共に美人姉妹である、という一点。 4姉妹と記したが、3姉妹プラス腹違いの妹を入れての4姉妹…

あん。

北野武とくれば、河瀬直美である。 共にヨーロッパでの知名度、異常に高いが、カンヌでは河瀬直美の存在感、北野武を凌駕する。一昨年には、カンヌ国際映画祭の審査員をも務めている。 河瀬直美、今年も最新作『あん』を引っさげカンヌへ乗りこんだ。『あん…

龍三と七人の子分たち。

お笑い満載のコテコテのコメディーである。 「テメェー、コノヤロウ! 笑わせてやる。笑え、バカヤロウ! オイラの得意なヤクザ映画だ、コノヤロウ! ヤクザつっても、こないだの『アウトレイジ ビヨンド』のようなバイオレンス映画じゃないぞ。バカヤロウ!…

駆込み女と駆出し男。

江戸時代の離婚は、現代の2倍もあったそうだ。知らなかった。駈込み寺があったことは知っている。しかし、江戸時代の駈込み寺、鎌倉の東慶寺と上州の満徳寺の二ヶ寺のみ。これで、どうして厖大な数の離婚が成り立っていたのか、不思議。 女からの離婚は認め…

セッション。

白人のジャズプレイヤー、黒人のプレイヤーとどこか違う。元々はクラシックから、という人が多いのじゃないかなー。ロックやポップスの連中などとはまるで違う、というようなイヤミなことがどこか垣間見える。 だから、ヘンにつきつめる。 『セッション』、…

インターステラー。

今まではこういう映画、いわゆるSFは観なかったのだが、柏にキネマ旬報の直営館ができてからは観るようになった。バスと電車で行くのだが、それでも、新宿や渋谷へ出るのに比べ所要時間は1/3。便利、助かる。 『インターステラー』、近未来の物語である…

6才のボクが、大人になるまで。

子供が生まれた若い夫婦は、四六時中子供の写真を撮っている。動画、静止画を問わず。 笑った、泣いた、ウンチやオシッコも。ハイハイし、タッチし、幼稚園へ行き、小学校へ上がり、ま、小学校の高学年あたりまで。10年程度であろうか。 ところが、リチャ…

バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)。

出かけることが続き、ブログも暫らくお休みとした。が、また暫らくの間映画へ戻る。 今年のアカデミー賞、メーンの作品賞は混戦であった。『アメリカン・スナイパー』、『6才のボクが、大人になるまで。』、『グランド・ブダペスト・ホテル』、『セッション…

ジョン万次郎と吉田さん。

先月末、こういうメールが来た。 <・・・・・私は先月19日に米寿を迎えましたが、・・・・・。 それでも、数年来計画していました「中浜ジョン万次郎の勇気と努力の物語」と題する日英対訳の絵本をようやく発刊し、・・・・・。 ・・・・・特に、学生や若…

アバウト・タイム。

これはイギリスの家族のお話。 半年近く前、今年初めに観た映画。良い人ばかりが出てくるお話であった思いがある。 イギリス、大ブリテン島の南西端にコーンウォール地方がある。ヨーロッパ大陸とアイルランドに挟まれ、大西洋に向かって突き出た半島である…

レッド・ファミリー。

子供たちを優しく見守るお母ちゃん、息子命であったが、その夢が敗れた後は、娘も含めいい父親になっていくお父ちゃん。ややできすぎているキライはあるが、学年ビリのギャルが慶應に入ろうと入るまいと、名古屋の「ビリギャル」の一家、ごく普通の家族であ…

ビリギャル。

函館、東京、大阪とさまざまな若者たちを追ってきた。何とも味のあるカスミとポチ男の大阪以外は、やるせない若者たちが多かった。 しかし、元気印の女の子が名古屋にいた。 4月初めの頃、近所のシネコンにはこういう大きなものが幾つも立っていた。 こうい…