2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

イエスタディ。

ジャック・バースという男、風変わりな物語を考えた。 ある時、世界規模の大停電が発生する。たった12秒間の停電であるが、その間、売れないミュージシャンであるジャックが交通事故に遭う。昏睡状態から目覚めたジャック、周りの人の誰もがビートルズのこ…

ボヘミアン・ラプソディ。

近場にもシネコンはあるが、もう10数年経ったもの。作品によっては新しいシネコンがいい。スクリーンや音響で。 コマ劇場を建て替えたTOHOシネマズ新宿は、まだ4、5年。ゴジラが吠えている。この映画は新宿へ。 一昨年秋、TOHOシネマズ新宿。 や…

ラスト・ワルツ。

1976年11月25日、サンフランシスコのウィンターランドで、ロックバンド「ザ・バンド」の最後のコンサートが催された。 その映像化はマーティン・スコセッシに任され、1978年にドキュメンタリー映画『ラスト・ワルツ』が公開された。 2年前、2…

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス。

前世紀末、アメリカのギタリストであるライ・クーダーが、キューバのオールドミュージシャンをプロデュースし、世界的ヒットを飛ばした。その後、1999年、ロードムービーの巨匠・ヴィム・ヴェンダースが『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を撮った。 …

グレイテスト・ショーマン。

十八代目中村勘三郎は、6、7年前、まだ50代の若さで惜しまれて死んだ。洒脱な面もあり豪快な面もあり、愛された役者であった。その勘三郎だったと思うが、「所詮我々は、河原乞食の・・・」、と言っていたような気がする。 歌舞伎の大名跡である勘三郎で…

サクロモンテの丘 ロマの洞窟フラメンコ。

グラナダには、優美なアランブラ(アルハンブラ)宮殿がある。 そのアランブラ宮殿とダロ川を挟んだ対岸に、ロマの人たちが多く住むアルバイシン地区があり、サクロモンテの丘がある。 昨日触れたバルセロナのタブラオは観光客相手のタブラオだが、40年近…

ラ・チャナ。

フラメンコ、スペイン南部のアンダルシアの方が主であるが、ラ・チャナは北東部カタルーニャのバルセロナ生まれ。 1946年生まれのラ・チャナ、本名アントニア・サンティアゴ・アマドール、この時71歳。 「踊っている時だけ自分でいられた」、と語る。 …

パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト。

昨日の『パッション・フラメンコ』で、カリスマ的バイラオーラであるサラ・バラスが、世界ツアーにかける作品『ボセス・フラメンコ組曲』は、今は亡き6人のマエストロに捧げた作品であると語っていた。その最初に名前が挙げられていたのが、パコ・デ・ルシ…

パッション・フラメンコ。

無性に踊りたい。サラ・バラスはそう語る。 8年前になる。2012年、名匠・カルロス・サウラが素晴らしいフラメンコ映画を撮った。『フラメンコ・フラメンコ』。当時40歳になったかならずかのサラ・バラスが、圧倒的な踊りを見せていた。 迫力あるサパ…

アートのお値段。

昨日の『ラスト・ディール』の北欧フィンランドのオークションハウスもそれはそれで味があるのであるが、オークションと言えばやはりロンドンとニューヨーク、就中サザビーズとクリスティーズのふたつのオークションハウス。 ] 『アートのお値段』とはベタな…

ラスト・ディール。

北欧フィンランドに、ペギー・グッゲンハイムとは対極の男がいる。 美術を生業としているのだが、金には縁がない。ラウニオ美術店を経営しているのだが、店は成り立たない。もう店を畳むしかないか、と思っている。 あと一度でいいから名画に関わりたい、と…

ペギー・グッゲンハイム アートに恋した大富豪。

せっかく生まれたんだから、死ぬまで好き勝手なことをして死にたいな、と誰しもが思うが、誰もが等し並にそうできることではない。 世の中は、不公平なんだ。「働けど働けど・・・・・じっと手を見る」の啄木的人生が、まあ普通。 ところが、そんな人生があ…

バンクシーを盗んだ男。

一昨日、バスキアのことを記したが、その後昨日、ゴードン・マッタ=クラークのことを思いだした。ニューヨークのストリートアーティストとして。 1943年生まれのマッタ=クラーク、70年代のニューヨークのアートシーンを駆け抜けた。キース・ヘリング…

35度8分の日。

予約の入っている病院、予約をキャンセル、延期としているが、どうもそうはいかない状況となった。歯医者である。 病院はどこでもヤバいが、歯医者こそその最たるもの。密も密である。2か月近く前、古くからの友人のメールにあと2回歯医者に行くとあったの…

バスキア、10代最後のとき。

アーティストは若死がいいね。夭折と言われるのが。でき得れば20代、ギリギリでも30代で。 ジャン=ミシェル・バスキア、1960年に生まれ1988年に27歳で死んだ。 ”NOW SHOWING”となっているので、シネコンでかかったのか、と思ったら…

ヒトラーvsピカソ 奪われた名画のゆくえ。

ヨーロッパの列強諸国が、あちこちの古代美術などを持ち出し、自国へ持ち帰るってことは多々行われていた。 世界中のあちこちを領土としていたイギリス・大英帝国など、その最たるもの。大英博物館には、そうして持ち帰った世界の至宝が数多くある。ロゼッタ…

チューリップ・フィーバー。

洋の東西、時代を問わず、バブルが発生する。投機的思惑によって、本来の動きとはかけ離れた値動きが生じる。 投機と言いバブルと言い、すぐ頭に浮かぶのは不動産であるが、どのような分野でも投機的バブルは発生する。植物の場合でも、稀少種は投機の対象と…

永遠の門 ゴッホの見た未来。

ジュリアン・シュナーベル、ゴッホの心の内を追い描く。 『永遠の門 ゴッホの見た未来』、脚本・監督は、ジュリアン・シュナーベル。アメリカとフランスの合作。 <ゴッホが見た世界が、あなたの魄を開放する、圧倒的感動体験>、と惹句にある。 「僕にしか…

ゴッホ最期の手紙。

なるほどこういう手があったか、という映画である。「動く油絵」と謳っている。 俳優を使い実写撮影されたものをキャンバスへ投影、そのデータをもとに画家が油絵を描く。それをアニメーション化する。 脚本・監督は、ドロタ・コピエラとヒュー・ウェルチマ…

世界で一番ゴッホを描いた男。

中国という国は何事によらずハンパない国である。広東省に大芬(ダーフェン)という油画村があるそうだ。 油画村って、油絵を描いている男や女が1万人以上いるから油画村。ただ皆さん、画家であったり趣味で油絵を描いているのではない。商売として複製画を…

奥宣憲の書。

やはり一週間ほど前、奥宣憲さんからレターパックが届いた。品名に「謹呈 二十周年記念図録」と記されている。 「いつも東京展にご来場くださる皆さまへ 中止のお知らせ」、と記された4月28日付けの紙片が入っている。新型コロナウイルスの影響で、と。 …

白と朱のハガキ。

一週間ほど前、4月末に和紙作家の河瀬和世さんからハガキが来た。 細長く切り取られた白い和紙が3片。より細く小さな朱の和紙が5片。 ハガキに白と朱の和紙のコラージュだ。 河瀬さんの個展などに駆けつける人に出されたものだろう。数十通か、数百通か。…

山は深く、眠り。

日本画の目指す到達点のひとつは、静寂であろう。 佐藤希の作品、まさに静寂。音のない世界を描きだしている。 銀座奥野ビル511 ギャラリーナユタ、3月6日。 佐藤 希 山は深く、眠り。 8点の作品が展示されている。すべてが、岩絵具、水干絵具、コンテ…

オホーツクふらふら行(32) 自主退避。

3月5日夜9時ごろ、秋葉原のワシントンへ入った。その少し後、外へ飲みに出た。 実は、羽田で家に電話した。カミさんは、暫らく帰ってきてくれるな、学校が休みになった孫たちも来る。孫たちとは会わせられない、と2月28日に人がほとんどいないオホーツ…

オホーツクふらふら行(31) 羽田へ。

12時半ごろ駅へ戻り、近くで焼きそばを食い、13時半ごろの電車で新千歳へ。 新千歳へ直行する、快速エアポートが出る小樽駅ホーム。 快速エアポート、札幌を経て新千歳空港まで1時間20分ばかり。 乗客は少ない。 小樽を出て暫くすると、雪が降ってき…