ヨコハマトリエンナーレ2011(7)。

シャトルバスで、もうひとつの主会場・日本郵船海岸通倉庫へ。
もともと船会社の倉庫だから、このような催しには、かえって面白い。

1階入ってすぐの部屋には、カバがいた。でっかいカバと、大きな口。
デワール&ジッケル作『Untitled(無題)』。粘土で作られている。
電気の光に照らされたコンコリ剥き出しの倉庫の中、薄茶色っぽいカバ、存在感がある。面白い。
でも、作ったものを運び込んだのかな。それとも、この倉庫の中で作ったのか。この粘土のカバ、気になる。

これも、面白いといえば面白い、何じゃといえば何じゃ、という作品。
奥の方では映像が流れている。手前の富士山のようなものは、砂の山。よく見ると、そのテッペンには1本のスプーンが立てられている。
山下麻衣+小林直人作『A spoon made from the land(土からスプーンを作る)』。
つまり、砂鉄からスプーンを作ろう、というのだ。それが後ろの映像で流れている。だから、手前の砂山のテッペンにはスプーン。何だかツマラナイな。そんなことを思ってしまうと。それがどうした、という作品になってしまうし。
ヘンな作品だ。でも、どこか引っかかる。暗い中に、白っぽく光る砂の富士山はキレイだし。

木がいくつかあった。1階には木の根。天井から下がっていた。2階には床から生えている木。そして、3階にはこの木。横になっている木。作者は、いずれも同じ。ヘンリック・ホーカンソン。木の国、スウェーデンの人らしい。
この作品のタイトルは、『Follen Forest』。文字通り、「倒れた森」。”森”、というだけに大きい。何本もの木が横倒しになっている。後ろに廻ると、それぞれ大きな植木鉢も付いている。
これこそ、何じゃこれ、の代表作かもしれない。
それにしても、こんなにデカくて重かろうもの、よくぞ3階まで運び上げたものだ。横の柱には、”荷重(坪)六・六噸”、とペンキで書いてあったので、重さは大丈夫だろうが。

その横には、やはり木を使った作品がある。
戸谷成雄作『洞穴体』。木製の立方体。チェーン・ソウで加工しているようだ。不思議な存在感がある。四面には、削り取られた溝がある。何かは知らず、強い主張を発しているように思える。
左端のお嬢さん、口をツンと尖らせて歩いてきた。奈良美智の描く女の子にそっくり。とてもチャーミング。