2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ニューヨーク眺めのいい部屋売ります。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』の世界も『しあわせへのまわり道』の世界も、とても心温まる心地いい世界であるのに、同じニューヨークに住みながらドナルド・トランプの世界はどうしてああも排他的で心地悪いんだろう。 同じニューヨーカーとは、とても…

しあわせへのまわり道。

不良ジジイ・ヴィンセントが住んでいるのはブルックリン。ニューヨークではあるが、マンハッタンからはイースト川を渡った川向うである。 が、売れっ子の書評家・ウェンディは、マンハッタンのアッパー・ウェストサイドに住んでいる。 アッパー・ウェストサ…

ヴィンセントが教えてくれたこと。

ニューヨーク・ブルックリンに、酒とギャンブルの日々を過ごすチョイ悪オヤジと言うか不良ジジイが猫と住んでいる。 ある時、その隣に小学生の男の子を連れたシングルマザーが引っ越してくる。シングルマザーは忙しい。不良ジジイ、やせっぽちの男の子を時給…

排除する社会。

相模原でおぞましい事件が起こった。 今日未明、26歳の男が障害者施設に侵入、無抵抗の人19人を殺害した。 アルジェリアのムルソーは、「太陽が眩しかったから」拳銃の引金を引いた。不条理な殺人であった。しかし、相模原の26歳の男は、明確な目的を…

稀勢の場所。

大相撲平成28年7月の名古屋場所は、稀勢の里のために用意された場所であった。稀勢の里の綱取り場所であった。 初日、日本相撲協会理事長・八角の挨拶。すぐ後ろに稀勢の里。 場所前、稀勢の里はこう語る。 続けて、こうも。 4日目、土俵下の稀勢の里。 …

やまとめぐり(18) 明日香村。

大和八木近くの暮れ泥む今井町から長谷寺まで、短い「やまとめぐり」終わる。 奈良盆地の東南部にあたる橿原市、桜井市、そして明日香村の狭い範囲、大和王朝の地、古い大和の地を巡った。 たまたまであるが、橿原神宮では、神武天皇二千六百年記念の国家安…

やまとめぐり(17) 長谷寺(続き)。

我が国で聖地巡礼と言えば、まず思い浮かぶのは四国八十八か所のお遍路さん。しかし、日本で最も古い巡礼は西国三十三か所の巡礼である。 第一番は、熊野那智の青岸渡寺。青岸渡寺から拝む那智の滝、身が震える。岡寺、興福寺南円堂、六波羅蜜寺、・・・・・…

やまとめぐり(16) 長谷寺。

近鉄で室生口大野から大和八木の方へ戻る。10数分で長谷寺駅。長谷寺も山寺といえば山寺である。初瀬山の麓に造られた。 駅から長谷寺までは約1.5キロある。歩いて20分と案内板にあるが、私の足ではそれ以上かかる。以前は歩いた。が、前回5、6年前…

やまとめぐり(15) 大野寺。

室生寺から室生口大野駅への帰りのバス、大野寺前で下りた。 宇陀川対岸の磨崖仏を大野寺の中から拝するため。 バス道に沿った大野寺の山門、かわゆい。 真言宗室生寺派の大野寺、石柱には、「弥勒大石仏別当 大野寺」と刻されている。 小ぶりな山門をくぐる…

やまとめぐり(14) 室生寺(続き)。

室生寺は、室生山の山麓に建てられた。 山の斜面を三か所少しずつ切り拓き、小さな平面を三か所造成した。 ひとつ目は、鎧坂を上がった所、金堂や弥勒堂のある所。二つ目は、そこから上がった灌頂堂(本堂)がある所。そして三つめは、そこから上がった五重…

やまとめぐり(13) 室生寺。

<それは昭和十四年のことであった。ぼくは・・・・・室生寺へ行った。・・・・・。そのときがぼくにとって弘仁仏との初めての出会いになった。・・・・・。・・・・・。いくらでも撮れる、それでいいという撮り切った満足感をぼくに与えるところはなかった…

やまとめぐり(12) 安倍文殊院。

近鉄桜井駅近くの宿に入ったのは、6時ぐらいではなかったか。老年に差しかかろうかという女の人が一人いた。「宿帳を書いてください」、と言われ、住所、氏名を書いた。 「部屋は3階です」、と言って鍵をくれた。もちろんエレベーターなどはない。階段を上…

やまとめぐり(11) 高松塚古墳。

昭和47年、日本の考古学史上画期的な発見があった。 高松塚古墳から壁画が発見された。日本中、沸いた、沸いた。 「かめバス」で、橘寺から高松塚の最寄りバス停まで10分ばかり。壁画館の最終入館時間は4時半。ギリギリ間に合いそうだ。高松塚壁画館、…

やまとめぐり(10) 橘寺。

明日香のお寺をひとつは訪ねよう。 大好きな飛鳥大仏がおわす飛鳥寺にするか、岡寺にするか、橘寺にするか。飛鳥寺は何度か訪れているし、6年前には岡寺へも訪れた。今回は橘寺とする。 飛鳥資料館の前から「かめバス」で20分ばかり、橘寺の最寄りバス停…

やまとめぐり(9) 文化財を撮る 写真が遺す歴史展。

6月上旬の飛鳥資料館、このような企画展をやっていた。 「文化財を撮る 写真が遺す歴史」展。 企画展示室へ入る。 飛鳥資料館の館長、こう語る。 旧江戸城写真帖第31図、中之門。 明治4年(1871年)撮影。 旧江戸城写真帖第42図、桜田堀から外桜田…

やまとめぐり(8) 飛鳥資料館。

昨日、やっぱり酔ってボウとしていたんだ。 仙術をマスターし空を飛んでいた久米仙人が若い娘の白いはぎに目を奪われる、とは記したが、だからどうなった、ということは書いていない。書き漏らした。それじゃ面白くもなんともない。 白いはぎに目を奪われ、…

やまとめぐり(7) 久米寺。

やはり畝傍山の東南山麓、橿原神宮の近くに久米寺がある。近鉄の橿原神宮前駅からはすぐ近く。 久米寺、真言宗御室派のお寺である。 本堂が見える。 本堂。 正面から。 久米寺、このようなお寺。 推古天皇の勅願で、聖徳太子の弟である来目皇子によって建立…

やまとめぐり(6) 橿原神宮(続き)。

外拝殿から見る内拝殿では儀式が続いている。 先ほどひとりの神職が入っていった内拝殿の後ろの幣殿の千木が見える。その奥に本殿があるが、さまざまな儀式は幣殿で行われる模様。 外拝殿の中には白い衣装の神職があちこちにいる。若い人が多く見られる。中…

やまとめぐり(5) 橿原神宮。

天照大神の子孫である神倭伊波礼毘古命(カムヤマトイワレビコノミコト)は日向国に住んでいたのだが、「日向国は、端っこにありすぎる。天下を安らかに治めるには、どこの地がいいのだろうか」、と考える。で、兄貴と共に東の方へと進んでいく。 日向を進発…

やまとめぐり(4) 倭・大倭・大和。

昨夜、ブログを書いている時、突然画面が消えてしまった。もうあらかた終わりという段階。で、最後のシバリョウの引用も途中となったまま。中途ハンパなもの削ろうか、とも思ったが、そのままにした。 今井町から帰ったその後は、大和八木の駅前の居酒屋で夕…

やまとめぐり(3) 今井町(続き×2)。

<奈良の町以外に、今井というような町が勃興する原因は、よくわからない。おそらく「座」のような中世的専売制が戦国時代にくずれ、楽市楽座的な自由経済の機運が出てきてからこの町ができたのではないかと思われる>、と前出書で司馬遼太郎は語る。 今井町…

やまとめぐり(2) 今井町(続き)。

<町のなかに、寺が多い。浄土宗が一カ寺、法華が一カ寺だが、なんといっても戦国期に一向宗(門徒)の根拠地のひとつだっただけに、本願寺末寺の大きな寺が二カ寺ある。「いまでも、町の人の宗旨は門徒が多いでンな」と、軒下で孫のお守りをしている老婦人…

やまとめぐり(1) 今井町。

<「今井千軒」 と、戦国期にいわれた大和の商業都市が、ほぼ旧観を偲ばせる家並で・・・・・。 私は、戦国期の堺の富商でもあった今井宗久がこの大和高市郡の今井庄(現・橿原市)の出身だということ以外に、この町について知らない>(司馬遼太郎著『街道…