2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ジャニス リトル・ガール・ブルー。

「駆け抜けた」、という人生がある。 何かを成しとげ、そうでなくともその過程で幕を下ろした人生である。「駆け抜けた」、と言うには、少なくとも20代での死でなければ意味を成さない。 このブログで触れた近場では、エゴン・シーレやジェームズ・ディー…

THE BEATLES。

1964年のアメリカツアーの時であろうか、ザ・ビートルズの面々、「イギリスのプレスリーと言われていますが」、という質問を受ける。 1962年にデビューしたビートルズ、当初は確かにそのような受けとめられかたであった。特にエルヴィス・プレスリー…

ディーン、君がいた瞬間。

すべての人がそうではないだろうが、若い頃って捻くれる者が多い。もちろん私もそうであった。 ニューヨークのタイムズスクェア。雨が降っている。1955年の秋も終わり冬にかかる頃。 タバコをくわえた若い男、背をかがめ肩をすくめて歩いている。捻くれ…

メットガラ ドレスをまとった美術館。

毎年5月の第1月曜日、メトロポリタン美術館では大ファッションイベントが催されるそうだ。メットに敷かれたレッドカーペットの上を着飾ったセレブたちが次々に通りすぎる。 仕掛け人は、メトロポリタン美術館理事にしてアメリカ版ヴォーグ編集長であるアナ…

エルミタージュ美術館 美を守る宮殿。

私は、ブリティッシュ・ミュージアムを含めて世界4大美術館と呼んでいるが、ブリティッシュ・ミュージアムは博物館であるから除き、ルーヴルとメトロポリタン、それにエルミタージュで世界3大美術館と言っている人が多い。 それはそうではあるが。まあいい…

エゴン・シーレ 死と乙女。

1907年、18歳のアドルフ・ヒトラーはウィーン美術アカデミーを受験する。しかし、結果は不合格。 アドルフ・ヒトラー、キチンとした美術教育を受けたかったのだが、叶わなかった。美術学校を落ちたヒトラーのその後の歩みは、ご存じのとおり。世界をひ…

黄金のアデーレ 名画の帰還。

20世紀も終わろうとする1998年、アメリカ在住のマリア・アルトマンがオーストリア政府を訴えた。 その時マリア・アルトマン、82歳。駆け出し弁護士のランディ・シェーンベルクと共に。 マリア・アルトマンの主張はこうである。 今、ウィーンのベルヴ…

グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状。

第一次世界大戦の後崩壊するが、神聖ローマ帝国の後裔であるハプスブルク家の版図は宏大なものであり,ヨーロッパに君臨した。ナポレオンが現れるまでは。 そのハプスブルク家の歴代皇帝が蒐集した膨大な美術品は、今、ウィーンの美術史美術館にある。 ブリュ…

フランコフォニア ルーヴルの記憶。

ルーヴル、12世紀の要塞が宮殿となり、1793年以降美術館となった。 権力、政治、国家、そして戦争、と切り離せない。その上に芸術が重なる。 「ルーヴルのないフランスは必要か?」、という言葉が流れる。ルーヴルとは何なんだ? 1940年夏、パリに…

レオナルド・ダ・ヴィンチ 美と知の迷宮。

東京が2度目のオリンピックをするのなら、大阪も2度目の万博をやろう、と2025年の万博に大阪は手をあげているようだ。 ところで2015年の万博はミラノで行われているが、それに合わせてミラノでは「レオナルド・ダ・ヴィンチ 1452−1519」特…

ボッティチェリ。

メディチ家最盛時の当主、ロレンツォ・デ・メディチが生まれたのは1449年。 ロレンツォ・デ・メディチと前後して、ルネサンスのビッグネームが次々と生まれている。 ボッティチェリは1445年、レオナルド・ダ・ヴィンチは1452年、ミケランジェロ…

創造と神秘のサグラダファミリア。

じじバカ状態で孫を思い酒を飲んでいるとぐでんぐでんとなり、何も分からなくなってしまう。 昨日もお終いの方は、何を打っているのか意味不明。半分以上、眠っていたのだろう。あきれて、そのままにしてある。 ところで、今日、今現在、スペインのカタルー…