2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

夏の記憶(3) 孫娘。

さほど離れていない所に住んでいるので、孫娘、時折り来る。遠方に住む婿殿の親御さんに、申しわけない思いあり。何のかのと言っても、心安らぐ。その頻度が高いので。 孫娘、間もなく満2歳となる。 7月初旬。 オムツの上には下着のみ、という恰好で走りま…

夏の記憶(2) 一升瓶。

夏の初めの頃、昼は蕎麦屋、夜は飲み屋、という店で飲んでいた。夕刻、丁度、飲み屋に切り替わった頃。 酒飲みである江戸川区と葛飾区のエキスパート・S.H.も一緒に。S.H.、日本酒が好み。ひと晩に幾つかの銘柄を飲む、というのが好きだ、という。幾つか…

夏の記憶(1) 空蝉。

夜間は冷える。完全な秋となった。いつしか蝉噪はなく、虫の音のみ。 で、夏の記憶を少し。 4〜5年前には、小学生坊主のセミ取りと競争してセミの写真を撮っていた。もちろん、生きているセミや鳴いているセミの。 しかし、今年は生きているセミや鳴いてい…

幾つになっても気が高ぶる。道とか路とか、と聞くと。

ビート・ゼネレーションとか、ビートニクと呼ばれる時代があった。熱かった。 1955年、サンフランシスコでアレン・ギンズバーグによる『吠える』の朗読が行なわれる。 1957年、ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』が出版される。 1959年…

ノリノリ恋のウディ節。

キム・ギドクの重くドロドロとした愛もあれば、ミゲル・ゴメスのセピア色に変色した植民地での灼熱の愛もあり、瀬戸内寂聴の”どちらも私を満たし、そして心を乱す”という湿気を含んだ愛もある。 いずれも愛には違いない。でも、考えてみれば、みんな肩に力が…

色まんだら百葉。

<ひとりの女とふたりの男の、センセーショナルな愛の物語>、と謳われている瀬戸内寂聴の小説『夏の終り』、累計で100万部も売れているそうである。 その映画化。 脚本:宇治田隆史、監督:熊切和嘉。 ひとりの女・染色家の知子には、満島ひかり。ふたり…

切ない記憶。

さほど込みいった話ではない。しかし、とても不思議な映画である。思いに残る映画である。 ポルトガル映画『熱波』、2部構成のモノクロ映像である。 第1部の舞台は、ポルトガルのリスボン。 「楽園の喪失」と題される。 社会福祉活動をしている初老の女性…

中秋の名月。

昼間、外へ出ていた。夜、帰る道すがらふと気がついた。丸い月が出ている。 そうだ、今日は旧暦8月15日、中秋の名月だ、と。 実は、昨日も昼間、外へ出ていた。しかし、夕刻からご馳走になり、少し酒も入っていたためか、帰途、丸い月は出ていたはずなの…

秋場所二日目。

いかに凄いヤツ、逸材とは言っても、この春までは学生であった男である。幕下力士と2場所取り、十両で取ったのは、たったのひと場所。幕内でどの程度取れるのか。 遠藤、今日の相手は、佐田の富士。 遠藤、小兵とは言わないまでも、小型力士である。体重は…

秋場所初日。

相撲が始まった。 今日、秋場所初日。 3時から観る。ビール片手。350ミリであるが、打ち出しまでに3本。酔ってボー。メシも食いたくないな。ブログもめんどくさいな。映画がらみのブログ、あと少しで一旦打ち切ろうかと考えているが、今日はそれもお休…

愛か、否やか。

ソウル市内の町工場がひしめく一画、血も涙もない借金取りの男・ガンドが、金を取り立てに行く。親の顔も知らず、30年間、天涯孤独に生きてきた男である。 利子が元金の10倍にも膨らみ、返済ができなくなった工場主には、工場の機械で腕を切り落とさせる…

無邪気なカリスマ。

20年少し前になろうか、ある時から、バレーやダンスを観るのがやたら好きになった。とっかかりはミラノのスカラ座。スカラ座の天井桟敷の当日券が買えると聞き、すっ飛んで行った。 スカラ座のバルコンの天井桟敷、立見席である。チケット代は、日本円換算…

哲人サイバラ。

西原理恵子を意識するようになったのは、20年以上前になる。神足裕司と組んだ「週刊朝日」の連載「恨ミシュラン」。ミシュランの星を持つ、敷居の高い店を切りまくっていた。 しかし、熱心な読者ではなかった。 元の亭主であり、イラクで殺されたあの橋田…

ウーン、何じゃこれー。で、ハイヨー・シルバー。

2か月ほど前の近所のシネコンには、こういうスタンディが立っていた。 こういうものを見ると、見なきゃしょーがなかんべ、と思うよね。 『ローン・レンジャー』か。 ジョニー・デップと「パイレーツ・オブ・カリビアン」の製作&監督が組んだんだ。 ”王道エ…

今、こんな女優いるのかな。

100年強に亘る日本映画の歴史に於いて、その黄金時代は二度あるそうだ。最初は、1920年代後半から30年代にかけて。そして二度目は、1950年代から60年代にかけて。 映画史の研究者、学者というばかりじゃなく、現代屈指の映画見巧者でもある四…

異国で一人生きる、ということ。

虚空を見つめるような目、”への字”のように両端が下がった唇。キレイキレイの女優ではないが、痺れるような女優であった。 ルイ・マル、弱冠25歳の監督作『死刑台のエレベーター』、1958年の作であるが、日本公開は60年代に入ってからではなかったか…

訂正します。

ここ暫く出歩くことが続き、宮崎駿の引退報道以外、ブログもお休み続きとなりました。 その間、一昨日、大橋美加さんからメールをいただきました。8月28日、新宿のJAZZ SPOT Jでの大橋美加&Gemstonesを記した私のブログの記載について…

風姿花伝。

つい今しがた、こういうニュースが流れた。 ベネチア国際映画祭、コンペティション部門出品作『風立ちぬ』の公式会見終了間際に、スタジオジブリの代表取締役社長がこう話した、と。 「『風立ちぬ』を最後に、宮崎駿監督は引退することを決めました」という…