百日紅。

江戸時代も後期である。江戸の町は活気にあふれている。女浮世絵師・お栄は、親父と犬と居候のような若い男と共に長屋に住んでいる。掃除などはしないから、部屋の中は汚い。親父もお栄もそんなことは気にも留めない。
お栄の親父の名は葛飾北斎。レオナルド、ブリューゲル、レンブラント、また近場ではピカソ、アートの世界でこのような世界基準のビッグネームと唯一肩を並べることができる日本の絵描き、と私が考えている男である。

出戻りのお栄23歳、「親父と娘と腕二本、箸四本あればどこへ転んだって食っていける」、とこともなげに言う。

『百日紅』、原作:杉浦日向子、監督:原恵一。
”Miss HOKUSAI”となっているが、お栄、一旦絵師の許へ嫁いでいる。が、前述のとおり出戻っている。親父・北斎の絵を見ていた目には、亭主の絵などヘタにも程がある、と思えたらしい。そういうことを口にし、離縁されたそうだ。
そりゃそうだ。亭主も気の毒だよ。巨人・北斎と比べられたら。この物語とは直接関係はないが、ご亭主に同情するよ。

両国橋のあたり、颯爽と歩く意志の強そうなこの女性がお栄である。
親父の北斎はアートの巨人である。が、偏屈極まりない男でもある。陋屋での貧乏暮らしも屁の河童。娘のお栄もそんなことは気にも留めない。それよりなにより、お栄の画才も凄い。さすが北斎の娘。
お栄、生没年も含め詳らかなことは知られていないが、後の葛飾応為である。応為作と言われる絵が幾つかある。美人画や吉原の情景を描いた作品、さすが北斎の血を受け継いだ娘の作と納得できる。

原作者の杉浦日向子、ちょうど10年前、50にならない若さで死んだ。さまざま江戸の世界を我々俗人に紹介してくれた。
主演のお栄の声は、杏。杏の顔貌、江戸期のお栄に重なる。
アニメというものほとんど見ないが、面白い作品であった。



パリでの同時多発テロ、犠牲者は129人となった。フランス全土に非常事態宣言が出されている。ベルギーでも逮捕者が出ている。大掛かりなバックがある模様。
8人のテロリストが死んだ。そのうちの一人がシリア難民の可能性がある、という。これは厄介な問題となる恐れがあるんじゃないか。ISが、ヨーロッパへの難民流出を利用しているとなると。
IS、今まで、さまざま卑劣極まりない行いをとっているが、シリア難民を装ったテロリストの送りこみとなると、ヨーロッパ各国も”人道は一旦横において”とならざるを得ない。
IS、汚い手を使う。
トルコ、アンタルヤでのG20サミット、今日と明日。
冒頭の記念撮影の模様が入ってきた。
ホストであるトルコのエルドアン大統領の右にアメリカのオバマ、その右にブラジルのルセフ、その隣にプーチンが並ぶ。エルドアンの左にはなんと習近平がいる。2列目、エルドアンとオバマの間に見えるのはメルケル、その隣に安倍晋三、その隣はインドのモディ。イギリスのキャメロンは2列目左端の方。フランスのオランドはテロ対応のため欠席したが、代理はどこにいたんだろう。
事前の作為はないものと思われるが、以前のG5の国々、アメリカを除きBRICSの国々に追い詰められているような気がするな。