ビッグアイズ。

ゴーストライターはどの世界にもいる。一般によく知られるのは文章の世界であるが、音楽分野、美術分野、どの世界にも存在する。絵の場合には、ゴーストペインターとなろうか。

監督:ティム・バートンの『ビッグアイズ』、<ウソのような本当の話>と記されている。が、そんなことはない。よくある話である。

ウォルター・キーンの”ビッグアイズ”、アンディ・ウォーホルが「素晴らしい。そうでなければ大勢の人に愛されない」、と言ったということだが、ホントかな。

ウォルター・キーン、”ビッグアイズ”の作者として売り出す。ウォルター・キーン、パリ帰りの絵描きと称しているが、どうも怪しい。扮するのは、『ジャンゴ 繋がれざる者』のクリストフ・ヴァルツ。
実は、”ビッグアイズ”を描いている本当の作家は、ウォルターの妻のマーガレット。『アメリカン・ハッスル』のエイミー・アダムスが扮する。
クリストフ・ヴァルツとエイミー・アダムス、私の好みではないが、実力派のハリウッド・スター。四つに組む。
離婚し、娘を抱えたバツイチのマーガレット、似顔絵描きをしていたが、ある時、口の上手いウォルターと仲良くなり結婚する。
マーガレットの描く作品”ビッグアイ”、売れていく。ただし、その作家はマーガレット・キーンではなくウォルター・キーンとして。

マーガレットは、一日中アトリエで”ビッグアイズ”を描き続ける。
1950年代末から60年代初めにかけてである。ポップアートの勃興期である。であるが、私はゴーストペインター、マーガレット・キーンのことは知らなかった。

マーガレット・キーン、このようなビッグアイズを描いていたんだ。

商才に長けたウォルター・キーン、複製のポスターなどもどんどん作りスーパーなどでも売り出す。ウォルター・キーンの作として。
金はどんどん入る。凄い豪邸も手に入れる。
しかし、マーガレットの心は晴れない。”ビッグアイズ”の絵は自分が描いたものだ、との思いが突き動かす。
ウォルターはこう言う。それを世間に明らかにすると、今の生活すべてが崩れてなくなるぞ、と。
しかし、マーガレットは、”ビッグアイズ”は、自らが描いたものである、ということを貫く。

マーガレットとウォルターの争い、ついには裁判、法廷闘争となる。
が、明らか。マーガレットは勝つ。
ウォルター・キーンと別れ、娘を連れハワイへ行ったマーガレット、今世紀初めまで創作を続けていたそうだ。



パリで多発テロが起こった。
あちこちで爆発や銃撃が起こった模様だが、多くの犠牲者が出たのはパリ10区。レピュブリック広場近辺の模様。
パリ市街は、時計回り渦巻き状に行政区域が区切られている。10区は、昨日のヴォージュ広場がある4区の外側である。小さなホテルも多くあり、以前私が泊まった小さなホテルもある。あちこち見知った通りもある。
先ほどフランス大統領・オランドは、こう述べた。
事件は、イスラム国・ISの犯行である。127人の人が亡くなった。ISも実行したことを認めている。
不可思議な世界。