2020-01-01から1年間の記事一覧

ユージン・スミスの戦争。

水俣、ミナマタと聞けば、頭に浮かぶ人が3人いる。 ひとりはもちろん石牟礼道子、ひとりは美智子皇后、今の上皇后、そしてあとひとりはユージン・スミスである。 ユージン・スミスの原点は戦争。 1918年生まれのユージン・スミス、20代半ば第二次世界…

野坂昭如『「終戦日記」を読む』から山田風太郎の日記。

<・・・、21歳の山田風太郎は、「ツイニ敵ニ屈ス」と、はっきり受取めている。・・・。そしてこれ以外、いえない。丁度、期待の重さに耐えかね自殺した、東京五輪のマラソンランナー円谷幸吉の遺書「おいしゅうございました」「ありがとうございました」…

8月15日。

今年の8月15日。 11時50分、テレビの前へ。 新型コロナの影響で、今年の出席者は550人。 天皇、皇后を待つ。 両陛下、お入りになる。 安倍晋三、挨拶。 例年通り、アジア諸国への加害責任には触れず。 両陛下。 両陛下。 天皇、「過去を顧み、深い…

暑い8月。

国が、あちこちへ行ってください、お金を差しあげますので、但し自己責任で、と言っているので、コロナになる人が増えても仕方がないが、このところ窓の外はとても暑そう。水分補給が大切だそうだ。 で、この5日間、部屋の中でじっとしている。ビールを飲み…

8月9日、長崎原爆忌。

前日の8月8日、ソ連外相モロトフから駐ソ大使佐藤尚武に対し、対日宣戦布告書が手渡された。9日、ソ連軍はただちに満洲への進攻を開始する。日ソ中立条約があるとか、そのソ連に米英との仲介を頼んでいた日本、甘いとは言えるが、それは後になって言える…

日本、朝鮮、満洲。

宮内庁書陵部が編纂した『昭和天皇実録』、平成2年(1990年)4月から16年間の計画で始められたが、完成予定は8年延び、平成26年(2014年)完成を見た。 出版は東京書籍が請負い、順次第十八巻までの膨大な実録が世に出た。 何年か前にも記し…

ピート・ハミル。

75年前、昭和20年の今日8月7日、昭和天皇は次々に重臣をお召になっている。 <御文庫において枢密院議長平沼熄騏一郎に謁を賜う>。 <御文庫に内大臣木戸幸一をお召になり、時局収拾につき種々御下問になる>。 <御文庫において陸軍大臣阿南惟幾に謁…

8月6日、ヒロシマ。

一年の内、この日だけは早く起き、8時にNHKをつける。 今年の広島平和記念式典。 被爆75年となる。 75年前の8月6日午前8時15分、その日深更テニアン島を発進したエノラ・ゲイ、広島上空で原爆を投下する。 テレビの前で黙祷。 広島市長・松井一…

レイニーデイ・イン・ニューヨーク。

これもウディ・アレンのニューヨークのお話。 が、昨日のブルックリン、コニーアイランドの観覧車が見えるアパートでの中年女のどこか物悲しい物語とは異なり、マンハッタンのセレブな世界のお話である。コニーアイランドの西日が射すアパートと異なり、豪勢…

女と男の観覧車。

1950年代のニューヨーク、ブルックリンのコニーアイランドの物語である。ブルックリン、マンハッタンからイースト川を渡った東。 ニューヨークには何度か行ったが、ブルックリンに行ったことはない。ハドソン川を渡った西はニュージャージーで、マンハッ…

シエリト・リンド。

6年近く前になるが、その人のことを記したことがある。 自転車で転んだお年寄りを助け起こそうとして、その人も転んでしまった。頑丈な身体を持つ人であったが、その人も70代後半であった。不運なことに首の後ろを打ち、首から下が機能しなくなった。さま…

「続けてきてよかった」、と照ノ富士。

ホントによかった。 以前から記しているように私は御嶽海のフアンであるが、今日ばかりは「御嶽海、今日は照ノ富士に勝たせてやれ」、と思っていた。ンッ、こんなこと書くとまずいかな。昔の片八百長を思い起こさせて。 現実は、そんな余計なことなど何も必…

勝つとしたら、一発勝負。

コロナがどうなろうと驚かないが、今日の照強には驚いた。 今日、8月1日は照強記念日だ。正直に言えば、今日は照ノ富士の日になるなと思っていたのだけれど。 その照ノ富士の今日の場所入り。それにしてもその着物の色調、なんて鮮やかなんだ。 代赭色だ。…

ROMA/ローマ。

今日の土俵、このようなものが回った。 一瞬、見慣れない懸賞だなと思った。が、そうではなかった。 <手洗いマスクの徹底>,<NO! 3密>、<距離を保とう>、<感染しない させない>、あともう一本あった。東京都と相撲協会とのコラボらしい。今日か…

シェイプ・オブ・ウォーター。

白鵬、今日も敗れた。一歩後退だ。 照ノ富士と朝乃山は1敗堅持。明日この両者の直接対決の割りが組まれた。 今年初場所は、幕尻の徳勝龍があれよあれよという間に平幕優勝を果たした。今場所も照ノ富士の幕尻優勝はあり得る。あり得るどころか、十分あり得…

グレート・ビューティー 追憶のローマ。

大相撲7月場所、昨日までただひとり全勝の白鵬が敗れた。11日目を終わり、これで1敗が3人となった。 そのひとりが、大関から序二段まで落ちながら這いあがってきた照ノ富士。今日の相手は、これまた元大関の栃ノ心。 二人の元大関、共に腕力自慢。 照ノ…

ローマに消えた男。

安倍晋三がほとんど表に出てこなくなった。 何日か前、立憲民主の枝野だっかか安住だっかかが、新型コロナウイルスの感染拡大について首相は語るべきだ、と言っていたが相手にしなかった。 昨日だったか一昨日だったかのぶら下がりで、総理としてのキチンと…

元気印の死。

今日、山本寛斎が21日に死んだことが報じられた。享年76。 急性骨髄性白血病と闘っていたそうだ。知らなかった。 森英恵などの世代は別にして、パリコレへまず打って出たのは高田賢三であった。今から50年前となる。そのブランド名がジャングル・ジャ…

消えてしまった。

おそらく、最後にクリックミスをしたのだと思う。 一昨日のブログ、文言が消えてしまった。 昨日、手入れをしようと思ったが、いったん打ち、なくなったものを打ち直すのは気がめいる。面倒にもなる。しかし、このままほっておくのも片腹痛い。で、今日何と…

7月場所序盤、そして「時」かな。

大相撲7月場所の序盤、5日目までが終わった。 今場所、何と大関から序二段にまで落ちた照ノ富士が、幕内に帰ってきた。

大相撲7月場所と若者の死。

大相撲の7月場所が始まった。 7月は本来なら名古屋であるが、新型コロナの影響で東京で。名古屋場所では、連日粋な着物姿で桟敷席に座る、おそらく粋筋のあの女性の姿は見られなくなったが。まあ、仕方ない。 東京では無観客でとしていたが、国技館に定員…

イーディ、83歳 はじめての山登り。

このところ映画を見に行っている。東京へは出ないので、ほとんどキネ旬の同じ映画館。 映画館はひと月ほど前に再開されたが、その前3、4か月間閉めていたので、その間の作品を次々とかける。特にキネ旬では。忙しい。 週に2度ほど映画館に行っている。別…

最高の花婿 アンコール。

ヒリヒリと心が痛む〚レ・ミゼラブル〛、今のフランスの貧困が根底にある人種問題の現実。しかし、やりきれない。 で、これもフランスの人種問題という作品を。荒っぽい言葉が飛び交うのだが、こちらは心にゆとりがある。思うに、根の部分に貧困の問題がない…

レ・ミゼラブル。

これは荒唐無稽なアメコミの世界とは異なり、今現実の物語である。 一昨年、2018年、フランスはサッカーW杯の二度目の優勝に沸いていた。パリ、凱旋門へのシャンゼリゼもトリコロールの旗で埋めつくされた。 しかし、<”悲劇(レ・ミゼラブル)”は終わ…

ミスター・ガラス。

日本のマンガのこともよく知らない。ましてやアメリカンコミックスのことなど、からきし知らない。 この映画もそのようなアメリカンコミックス繋がりの作品らしい。 <”スーパーヒーロー”は、実在するか?>、とある。 何のことか? 前段がある。 20年ほど…

オリエント急行殺人事件。

オリエント急行、イスタンブールからパリ、ロンドンへ走っていた。イスタンブールはオリエント。 西側ヨーロッパの世界から見れば、イスタンブールはやはりオリエント。極東に住む私たちから言えば、イスタンブールは東西の交差点である、というのが妥当なと…

ノー・エスケープ 自由への国境。

ボーとしていると、何ごとにつけ忘れることが出てくる。昨日もそうであった。遅く帰ってきて、ボーとした頭でキーを打っていた。 実は、暫らく前、ラジ・リの問題作『レ・ミゼラブル』を観た。今現在のフランスの胸を締めつけられる人種問題。やりきれない。…

アイリッシュマン。

アメリカの労働組合のことを聞かなくなって久しい。特に今、ラストベルトの労働者たちは、トランプにしがみついている。下層と言える白人労働者が、金がすべてのトランプに。トランプが雇用を守ってくれる、トランプこそが雇用を創出してくれる、と。 労働組…

ANNA アナ。

ロシアにはハニートラップを武器とする女スパイが多いらしい。リュック・ベッソンが創りだした女スパイは、美貌のみでなくめっぽう腕が立つ。武闘派である。 1990年のモスクワ、街中でマトリューシカを売っていた若い女・アナは、モデルにと声をかけられ…

レッド・スパロー。

南北朝鮮のスパイ戦も死を賭けたもの、一瞬たりとも気が抜けないものである。が、スパイ、諜報戦とならば、やはり何と言っても米ソ、米ロ間の諜報戦である。CIAとKGBの。 スパイの世界ってこれほどまでに凄まじいんだ。命が幾つあっても収まらない。い…