レッド・スパロー。

南北朝鮮のスパイ戦も死を賭けたもの、一瞬たりとも気が抜けないものである。が、スパイ、諜報戦とならば、やはり何と言っても米ソ、米ロ間の諜報戦である。CIAとKGBの。
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スパイの世界ってこれほどまでに凄まじいんだ。命が幾つあっても収まらない。いや、そのひとつにだって耐えられる人はいないに違いない。
モスクワ、ボリショイ劇場のプリマ・バレリーナ、ドミニカ・エゴロワが、舞台上の事故でバレリーナとしての道を断たれる。その裏の真実を知ったドミニカ、その後の人生の選択肢が次々に狭められ、スパロー(スパイ)となっていく。
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『レッド・スパロー』、監督:フランシス・ローレンス。
主役のドミニカ・エゴロワに扮するのは、ジェニファー・ローレンス。2012年、わずか22歳で『世界にひとつのプレイブック』でアカデミー賞主演女優賞を受けたジェニファー・ローレンスも29歳となった。レッド・スパローとして、その裸身がこれでもかと出てくる。レッド・スパローの最大の武器はハニートラップなんだから。
この作品、33年間CIA工作員として活動していたジェイソン・マシューズの原作を映像化したものである。創作の部分もあるが、現実にもこうという所もある。
例えばこのような場面・・・
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ウラル近くの町に、ロシアのスパイ養成施設があるそうだ。
ここでは、スパイに仕立てあげようという若者を集めて教育している。シャーロット・ランプリングが扮するその施設の教官、とても恐ろしい。施設の若者たちの目の前で、指名した二人にセックスをさせるといったことまで行っている。これもハニートラップの訓練であるらしい。精神的、肉体的、さまざまな心理操作を行う。
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ドミニカの身にはさまざまなことが起こる。その後。ロシアのスパイとしてブダペストへ送りこまれる。ロシア内部のアメリカへの内通者を探るため。
ブダペストでCIAの工作員に近づく。が、彼と肌を合わせることとなる。ハニートラップと人間としての感情の線引き、難しくなったようにも思えるが、確とは解らない。
二重スパイの展開にもなる。ややこしい。
二重スパイ×2、二重スパイの2乗なんてことにもなる。現実のCIAとKGBの戦いも、このようになっているのであろう。
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<私は>・・・
<祖国を守る兵器>、<国家の美しい武器>。