8月9日、長崎原爆忌。
前日の8月8日、ソ連外相モロトフから駐ソ大使佐藤尚武に対し、対日宣戦布告書が手渡された。9日、ソ連軍はただちに満洲への進攻を開始する。日ソ中立条約があるとか、そのソ連に米英との仲介を頼んでいた日本、甘いとは言えるが、それは後になって言えることでもあろう。
この日8月9日、昭和天皇は御文庫において参謀総長梅津美治郎、内大臣木戸幸一、海軍大臣米内光政、宮内大臣石渡莊太郎、を次々にお召になり、午後1時45分、陸軍大臣阿南惟幾に謁を賜っている。この日の朝、長崎に新型爆弾が投下されたことは、阿南惟幾から報告を受けたようだ。
上のことごとは、『昭和天皇実録』から引きだしたもの。
75年後の今日の長崎原爆忌。
長崎平和祈念式典。
長崎の式典には「献水」がある。
千羽鶴も長崎だ。
広島同様テニアンから出撃した爆撃機・ボックスカー、11時2分に長崎に原爆を投下する。
その11時2分、長崎の鐘が鳴り、黙禱。
長崎市長・田上富久、「終末時計」は残り100秒となっていると語る。
田上富久、こうも語る。
しかし。内閣総理大臣・安倍晋三は、核兵器禁止条約を批准しない。広島と同様、言及もしない。
さらに田上富久、「日本国憲法の平和の理念を永久に堅持して・・・」と語るも、その言葉、空しく響く。安倍晋三は憲法を守るどころか、変えようといっているのだから。
毎年毎年、8月6日の広島、9日の長崎の模様をNHKの画面で見ているが、安倍晋三、いつも面白くなさそうな顔つき。惰性で来ているように思えてならない。
仕様がないから、と思っているんじゃないか。
その点、この人は違う。
待ってました、中満泉。
中満泉、日本入国に際し、14日間の自主隔離が課されているため、広島の日の2週間前に来日したそうだ。核禁止に対する覚悟が違う。
去年はヤクザの女親分を思わせる、白い着物の裾をササッと払って歩く姿がカッコよかった。テレビに向かい、「イヨッ、国連の姐さん」って声をかけた。
不謹慎なこととは思うが、中満泉のファンなんだ、私は。
実は、従妹の孫娘で、韓国の大学へ行きたいと言っている女の子がいる。韓国語検定でも上の方。
アメリカの大学や、今だと中国の大学へ行く若者は多いだろうが、韓国の大学への留学はあまりないのでは。面白い。韓国の大学へ行けー、ってけしかけている。そして、中満泉のような国際的に活躍する女性になれって、と。ババとしては現在の日韓関係がややこしいので、それが心配というようだが、そうであるからこそより面白いじゃないか、とけしかけている。少し無責任と言えば無責任であるが。
それはともかく・・・
国連事務次長であり軍縮担当上級代表の中満泉、国連事務総長・アントニオ・グテーレスの挨拶を代読する。
平和公園そばの「キッズゲルニカ」、川面に映る。
今年の長崎原爆忌の中継は終わる。
ところで、昨日夜、NHKのETV特集でこういう画像が流れた。
「焼き場に立つ少年を探して」。
10歳ばかりと思われる少年が死んだ弟を背負い、焼き場に立っている。順番を待っているんだ。
唇をグッと結び、前を見据えている。
長崎で撮られた写真である。
昨年長崎に来たローマ教皇・フランシスコは、この写真について触れた。
ーーー・・・。
ーーー・・・。
「焼き場に立つ少年」、この右側の男、米軍カメラマンのジョー・オダネルが撮った。
「我々は、おばあさんやおじいさん 子供を殺した」と語っている。
「無意味な虐殺だったと?」、と問われたジョー・オダネル、「そうだ」、と答えている。
アメリカ、公式見解は、「日本への原爆投下は、100万人の米国兵士の命を救った」、というものであるが。
焼き場に立つ少年。
NHK長崎の番組、終わる。
今、時と場合によっては原爆を使おうという国が幾つかある。
アメリカ、ロシア、中国、イスラエル、北朝鮮、それに、インドとパキスタンも。イギリスとフランスも核保有国ではあるが、前記の国よりは理性があるだろうと思い、外した。
世界はヤバイ情況にある。