グレート・ビューティー 追憶のローマ。

大相撲７月場所、昨日までただひとり全勝の白鵬が敗れた。１１日目を終わり、これで１敗が３人となった。
そのひとりが、大関から序二段まで落ちながら這いあがってきた照ノ富士。今日の相手は、これまた元大関の栃ノ心。

二人の元大関、共に腕力自慢。
照ノ富士と栃ノ心、右四つがっぷり、互いに引きつけあう。筋肉が盛りあがる。見応えがあった。最後、照ノ富士が栃ノ心の上手をきり、寄り切った。
これで照ノ富士、１０勝１敗。凄いぞ。

昨日、御嶽海に敗れ１敗となった朝乃山は、連敗はせず１敗を守る。が、結びの一番で波乱が起こる。
白鵬が大栄翔に押し出しで敗れる。
これで残り４日、白鵬、朝乃山、照ノ富士の３者が１敗で並ぶ。
千秋楽、楽日までに幕尻の照ノ富士と白鵬や朝乃山との割りを組むかどうか、相撲協会の腕の見せ所となった。

相撲中継が終わった直後のＮＨＫ。
新型コロナウイルスの感染、１日で初めて１０００人を超えた、と。東京に続き大阪も２００人を超えたそうだ。
日本の人口は減っているとはいえ、１憶２０００万を超えている。１日に１０００人や２０００人が新型コロナに罹っても、日本国にとってはどうってことないのであろう。国は、”Ｇｏ　Ｔｏ”、あちこちへ行ってくれって言ってるのであるから。

リモコンをすぐＥテレに切り替えた。

４０年前のシルクロードの何度目かの放映。
ＮＨＫの取材班、砂漠の中を進んでいる。途中、ウイグル族の子供たちが通う小学校が出てきた。小学３年生まではウイグル語で学び、４年生になってから中国語での授業がある、と話していた。
考える。今、小学３年ばかりかウイグル語での教育は、果たして行われているのだろうか、と。１００万人のウイグル族が強制収容所に収容されていると報じられる今。
Ｅテレで流れるのは、４０年前のシルクロードである。その頃の中国は牧歌的であった。
それから４０年経った今は、まったく異なる。中国は覇権国家となっている。残念だ。

これは４０年以上、５、６０年以上前の映像を思わせる映画である。

４０年前に大ヒットした小説を書いたが、その後はその残り香で生きている男がいる。
６５歳となり、老いを感じている。が、その日常はクラブやディスコでの乱痴気騒ぎ。ローマの物語なんだ。

『グレート・ビューティー　追憶のローマ』、監督：パオロ・ソレンティーノ。
５０年前、いや６０年前になるフェデリコ・フェリーニの『甘い生活』を思わせる。ローマのセレブの日常だ。

主役に扮するのはトニ・セルヴィッロ。
トニ・セルヴィッロ、昨日記した『ローマに消えた男』の主役であり、２、３か月前に記したイタリア、フランス、ドイツの合作ドキュメンタリー『ヒトラーｖｓピカソ』のナレーターを務めた男である。
トニ・セルビィッロ、今、イタリアの至宝と言われている。そうかなーと思うが、そうなのであろう。
イタリアのモテ男、私の世代ではマルチェロ・マストロヤンニである。『甘い生活』で共演したアニタ・エグバーグ、さらにソフィア・ローレン、フェイ・ダナウェイ、カトリーヌ・ドヌーブ、世界を股にかけている、そのモテぶり。
しかし、今はイタリアの至宝、イタリアを代表する優男は、トニ・セルビィッロだそうだ。マストロヤンニの方が色男だと思うが。

昔、１００年近く前、ヘミングウェイは「パリはいつも移動祝祭日である」と言った。ローマはどうか。
６０年前のフェリーニのローマも、暫らく前のソレンティーノのローマも乱痴気騒ぎのローマである。

パオロ・ソレンティーノによるフェデリコ・フェリーニへのレスペクト、至るところに。

ローマ、さまざまな思いがある。

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