勝つとしたら、一発勝負。

コロナがどうなろうと驚かないが、今日の照強には驚いた。
今日、8月1日は照強記念日だ。正直に言えば、今日は照ノ富士の日になるなと思っていたのだけれど。
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その照ノ富士の今日の場所入り。それにしてもその着物の色調、なんて鮮やかなんだ。
代赭色だ。
相撲取りにはこのような鮮やかさが似合う。
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今日の結びで朝乃山との一番を組まれた照強、付き人と一緒にモニターを見ている。照ノ富士が大関であった頃に配った「大関 照ノ富士」と染め抜かれた浴衣を着て。
小兵力士では炎鵬の人気が高い。最も小さい幕内力士で可愛い顔をしていることもあろう。照強は炎鵬に次ぐ小兵であるが、それよりも塩をガバーと撒く力士として知られる力士。
現在25歳だが、初土俵は平成22年(2010年)。つまり今では珍しい中卒で相撲の世界に入った男である。今場所の前頭7枚目が自己最高位であり、初の大関戦である。
この横顔、何かを考えてるな、と思われる。(お前、結果を知っているからそんなこと書けるんだろうと思われましょう.。実は、もちろんその通りです)
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今場所の正代は強い。ここまで二桁の勝ち星をあげている。
五分五分かな、と思っていた。しかし・・・
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正代、照ノ富士に右差しを許さず、寄り切りる。
照ノ富士、2敗となる。朝乃山は息を吹き返す。
朝乃山どころか、3敗の正代、さらに御嶽海がこの後勝てば3敗で、優勝の行方は千秋楽次第となる。
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照ノ富士が敗れ2敗で並んだことを土俵下で見ていた朝乃山、この顔つき。
硬い。ずいぶん緊張している。
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少し前まで、朝乃山はまさか14日目に前頭7枚目の照強との割りが組まれるとは思ってなかったろう。また、照強もまさか結びの一番で大関と相撲を取るとは考えていなかったに違いない。
朝乃山と照強、年は26と25、朝乃山がひとつ上。が、角界への入門は照強が5年早い。照強は中卒で入門しているが、朝乃山は大卒での入門であるから。朝乃山は大関へと駆けあがっていった。照強はやっと前頭7枚目となった。
照強に肩入れするよ、私は。
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照強、立ちあがった直後、朝乃山の左足を取った。
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そのまま抱かえあげる。
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朝乃山、ドウーと倒れた。
照強、足取りで朝乃山を破る。
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リプレー、別角度から見てみよう。
低く立って、足を取って・・・
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朝乃山、頽れる。
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その後のインタビュールームでの照強、こう語る。
「昨日の夜から考えてました。勝つとしたら、一発勝負だ」、と。
はっきり言って力の差は歴然。ならば、一発勝負。見事という他ない。
照強、伊勢ケ濱部屋の先輩・照ノ富士への掩護射撃を成した。後は、楽日の照ノ富士次第。
これがなかなか難しい。御嶽海との割りが組まれている。御嶽海も3敗、優勝の可能性を残している。それ以上に、立ち合いドウーと持っていかれることもある。4分6、7分3分で御嶽海が有利ではないか。
そうなりゃ明日の土俵、優勝決定戦、場合によっては巴戦ということになるかもしれない。
それもこれも照強が面白くした。
だから、8月1日は、サラダ記念日でもなく、コロナ記念日でもなく、照強記念日。