暑い8月。

国が、あちこちへ行ってください、お金を差しあげますので、但し自己責任で、と言っているので、コロナになる人が増えても仕方がないが、このところ窓の外はとても暑そう。水分補給が大切だそうだ。
で、この5日間、部屋の中でじっとしている。ビールを飲みながら、時折りうつらうつらしながら。
ビールやアルコールは水分ではない、というようなことをいつか物知りから聞いたが、本当かなー、と思いながら。


この間、香港では自由に対する弾圧が行われていた。
香港国家安全維持法違反容疑で、「リンゴ日報」創業者の黎智英やあのチャーミングな23歳の女の子・周庭など民主派の人たちが逮捕された。
保釈されたが、起訴されることとなろう。裁判となれば、最高刑は無期であるらしい。
が、黎智英も周庭も心の強い人である。
黎智英は、保釈後、香港の自由のために命を賭ける、と語っている。日本円で1000億ぐらいを持つ資産家が。
23歳の周庭は、逮捕されたのは4回目だが今回が最も怖かったと語り、香港に留まって戦う、と続ける。どうしてそんなに上手いの、という日本語で。
香港政府、またその後ろにいる習近平の中国による弾圧であり、恫喝である。
お前ら、命が惜しけりゃ言うことを聞け、との。
黎智英よ、劉暁波になれ、周庭よ、ジャンヌダルクになれ。
が、そうなる前に国際社会は、自由のために戦う人を救うべきであろう。日本も「重大な懸念を有している」なんて言葉ばかりでなく。


米大統領選、民主党のジョー・バイデン、副大統領候補にカマラ・ハリスを選んだ。
私も、バイデン、ハリスを選べと思っていたので、よかった。これでトランプ・ペンス組に負けることはなかろう。
これで3か月先の11月、トランプが勝つなんてことはなかろうが。アメリカ人、そこまでバカではなかろう。
それにしてもバイデンの掲げる「Build Back Better(より良く建て直す)」、ちょっと問題があるな。
地味だし、解りづらいよ。よく見ると「トリプルB」じゃないか。よくない。
バイデン、頭の切れる言葉の専門家をリクルートしろ。


ところで、75年前の8月10日から14日までのこの5日間、昭和天皇は慌しい日々を送られていた。
<十日 金曜日 午前零時三分、御文庫附属室に開催の最高戦争指導会議に臨御される。出席者は、内閣総理大臣鈴木貫太郎・枢密院議長平沼騏一郎・海軍大臣米内光政・陸軍大臣阿南惟幾・外務大臣東郷茂徳・参謀総長梅津美治郎・軍令部総長豊田副武、・・・、・・・、・・・>、陸軍省、海軍省の重臣たちが続く。
<会議ではポツダム宣言の受諾につき、天皇の国法上の地位存続のみを条件とする外務大臣案と、天皇の地位存続、在外軍隊の・・・、戦争責任者の・・・、保障占領の拒否の四点を条件とする陸軍大臣案が対立して決定を見ず、午前二時過ぎ、・・・>、となり、議長の首相から聖断を仰ぎたきの奏請を受けられた昭和天皇は、外務大臣案を採用される。
上記、『昭和天皇実録』から引いたものだが、よく知られている御前会議での終戦の御聖断である。
この後、内大臣、宮内大臣、また伯爵牧野伸顕と謁を賜っている。
さらに、元内閣総理大臣の若槻礼次郎・岡田啓介・平沼騏一郎・近衛文麿・広田弘毅・東条英機・小磯国明をお召になる。7人の元首相にもそれぞれの考えを聞いている。
11日にも内大臣木戸幸一、陸軍大臣阿南惟幾、他に謁を賜っている。
12日もさまざまな奏上を受けられているが、この日午後、御文庫附属室(このよく出てくる御文庫附属室は、御文庫の地下深く造られた堅固な部屋である。空襲時、天皇、皇后が避難していた)に、宣仁王、崇仁王など13人の皇族をお召になり、ポツダム宣言受諾に決したことをご説明になっている。
13日にも内大臣木戸幸一、陸軍大臣阿南惟幾他、多くの人をお召になっている。
14日、昭和天皇は内大臣木戸幸一、陸軍大臣阿南惟幾はじめ多くの人をお召になっている。上奏や具申を受けられている。
陸軍将校によるクーデター計画もある。
午後11時25分、大東亜戦争終結に関する詔書を2回にわたり朗読される。
<録音終了後、十五日午前零時五分、天皇は御文庫に還御される。同五十分、御格子>(〚昭和天皇実録〛)。


何日か前からNHKBSで世界の知性と言われる人のことを流していたが、昨日はフランスの歴史学者、エマニュエル・トッドであった。
エマニュエル・トッドにコロナ危機の今を聞く。
私が興味を覚えたのは、米中対決のエマニュエル・トッドの考察。
それ以前にグローバリゼーションに対する考え方。グローバリゼーションが問題があるそうだ。むしろトランプの独自主義、反グローバルなポピュリズムが国家にとって大切なことだそうだ。
そんなこと、私にはとても思えないが。
アメリカと中国の対立については、こう語っていた。
アメリカと中国を中心として地球は回る。
EU・ヨーロッパやロシア、日本は米中の周りで回る。ロシアではプーチンが終身大統領を狙っているが、ロシア自身、アメリカに対抗できる国ではないことを自覚している、とトッドは語る。
アメリカはロシアと提携すべきであり、日本もアメリカとの連携を強化すべきである、と。
いずれにしろ超大国・中国は出現する。
その中国にいかに対峙すべきか。
今のうちにアメリカ、中国に先制攻撃で叩いたらどうか、なんてボケーとした頭で考えている。
そう日を待たず、尖閣問題が持ちあがってくるであろうから。


渡哲也が死んだ。
同世代、幾つもの病気を抱えていた病人仲間と勝手に思っていた。
何十年も前、慶應病院へ入院していたころ、ある夜、病棟の廊下を歩いている時、やはり慶應病院へ入院していた石原裕次郎と行きあったことがある。
車いすに乗った裕次郎を3、4人の男が囲んでいた。その時、車いすを押していたのが渡哲也であったような思いがある。
享年78。渡哲也の作品はさほど見ていないが、心に残る。