女と男の観覧車。

1950年代のニューヨーク、ブルックリンのコニーアイランドの物語である。ブルックリン、マンハッタンからイースト川を渡った東。
ニューヨークには何度か行ったが、ブルックリンに行ったことはない。ハドソン川を渡った西はニュージャージーで、マンハッタンに事務所のある日本の大手企業の駐在員は多くニュージャージーに住んでいた。
昨日触れた海外勤務が長かった人もニュージャージーに住んでいて、一度そのコンドミニアムでご馳走になったことがある。日本の億ションと言われるマンションの幾つかに招かれたことがある。たしかに私が住まいするマンションと呼ばれるものとは異なるが、アメリカのマンション、コンドミニアムは入口のコンシェルジュを含め、より存在感があった。
それはともかく、ブルックリンのコニーアイランドはその対極にある。
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<まわる、まわる。秘密の恋が回る>って、コニーアイランドの遊園地のレストランでウェイトレスをしている女のことだ。
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『女と男の観覧車』、監督・脚本:ウディ・アレン。
ウディ・アレンにしてはひねりが緩く、やや味が淡泊かな。原題も”Wonder Wheel”って素っ気ないし。
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今はコニーアイランドの遊園地でウェイトレスをしているジニー、昔は芝居の舞台にも立ったことがあるのだが。
窓からコニーアイランドの遊園地の観覧車が見えるアパートに住んでいる。
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再婚した亭主のパンプティは、遊園地のメリーゴーラウンドの操縦係をしている。
その亭主の娘・キャロライナが突然現れる。ジニーにとっては初めて見る義理の娘。
キャロライナはギャングと一緒になり、長年音信不通だったんだ。ギャングに追われていると言う。ギャングなんかと一緒になるからだ、と親父のパンプティは言うがやはり何やかや言っても娘は可愛い。住まわせる。
ギャングも追ってくる。ジニーの前の亭主との間の連れ子も問題児である。
まあ、そういうこともあるが、この作品の主たるところは、ウェイトレスをしている中年の女・ジニーの恋だ。
コニーアイランドの海でライフセーバーをしている若い男がいる。ニューヨーク大学の学生で、ライフセーバーというマッチョなことをしているにもかかわらず、劇作家志望でもある。
このような男は始末に負えないな。昔、芝居をしていたジニーは夢中になる。若い男にとっては、単なる遊びだ。
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そこへジニーの今の亭主の娘、ジニーにとっては義理の娘・キャロライナが現れた。この左の若い女である。
ライフセーバーをしている若い男、若いキャロライナに夢中になる。
理の当然と言えば、理の当然なのであろうな。
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だが、コニーアイランドの遊園地の観覧車が窓から見えるアパートに住むジニーに思いを通わせる。
ジニーに扮するのはケイト・ウィンスレット。あのレオ様との『タイタニック』から20年後のケイト・ウィンスレット、得も言えず味がある。