レイニーデイ・イン・ニューヨーク。

これもウディ・アレンのニューヨークのお話。
が、昨日のブルックリン、コニーアイランドの観覧車が見えるアパートでの中年女のどこか物悲しい物語とは異なり、マンハッタンのセレブな世界のお話である。コニーアイランドの西日が射すアパートと異なり、豪勢な邸宅が幾つも出てくる。
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ペンシルベニア州のヤードレー大学(どうも架空の大学のようだが)という田舎大学、金持ちのお坊っちゃんやお嬢ちゃんが多くいる模様。ニューヨークのセレブの息子であるギャツビーとアリゾナの銀行家の娘であるアシュレーは恋人だ。
大学新聞の記者であるアシュレー、ニューヨークで大物監督へのインタビューをすることになる。ニューヨーク出身のギャツビー、この機会にアシュレーとニューヨークの2日間を過ごそうと思っていた。
ランチはどこそこ、その後はメトロポリタン美術館へ、セントラルパークはもちろん歩いて、どこのピアノバーへ、ホテルはどこへ、と。
しかし、予定は大きく狂っていく。
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『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』、監督・脚本:ウディ・アレン。
ウディ・アレンの最新作である。
が、2017年に完成しているにもかかわらず、公開されなかった。アメリカでは現在も公開されていない。日本では、つい先日公開された。限られた映画館のみであるが。
なぜ、作品完成後2年半以上も公開されなかったのか。本国アメリカでは、今でも公開されていない。なぜ、お蔵入りに。
昨年のハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ事件である。”#Me Too”の動きに、ウディ・アレンの過去の古傷が蒸し返された。ミア・ファローとのドロドロの争いに。ウディ・アレンのセクハラに。
実は、『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』に出た役者たち、次々にウディ・アレンの映画に出たことを悔いている。もうウディ・アレンの作品には出ない。『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のギャラは慈善団体に寄付をする、と。
確かにウディ・アレンの女性に対する嗜好、常人には理解できぬところがある。それが。
ウディ・アレンは中央突破をはかっているのであろう。
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マンハッタンの金持ちセレブの息子のギャツビー。二枚目の優男。
それにしても息子にあの「ギャツビー」と名づけた親御、セレブ印に染まっていたんだな。
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ギャツビーとアシュレー。
ギャツビーは二枚目だが、今が旬と評判のアシュレーはさして美しいとは思えない。
ギャツビーに扮するのは、ティモシー・シャラメ。アシュレーに扮するのは、エル・ファニング。エル・ファニング、可愛い、可愛い、きれいだ、きれいだ、との声が多いのだが、私には、そうかなーと思うのみ。
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ペンシルベニアの田舎の大学で恋人だったお坊っちゃんとお嬢ちゃん、ニューヨーク、マンハッタンで現実に翻弄されていく。
アシュレーは、大物監督や売れっ子脚本家からは心を求められ、セクシーな人気俳優からはベッドへ誘われ身体を求められる。
アシュレー、恋人のギャツビーはいるが、こんな人気俳優と一夜を過ごすなんて孫子の代まで語り継げるなんて思っている。
が、現実はそうはならなかった。別れたと言っていたセクシー役者の彼女が帰ってきたのだ。
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下着だけのアシュレー、ギャツビーの許に。レインコートのみを羽織って。
何もなかったって。
たしかに何もなかった。だが、田舎の大学での生活は。
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マンハッタン初心者向きのロケーションマップ。
マンハッタン、あれほどシャワーが降るとは知らなかったが、あちこち思いに残る。
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デザイナーの大島依提亜によるポスターが貼られていた。
パステル画のようなイラスト、木内達朗の作らしい。メトロポリタン美術館である。
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セントラルパーク。
雨のセントラルパークだ。
このポスター、ウディ・アレンが大変気に入り、メインポスターにしたいと言っている、との貼り紙があった。
たしかに美しい。