パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト。

昨日の『パッション・フラメンコ』で、カリスマ的バイラオーラであるサラ・バラスが、世界ツアーにかける作品『ボセス・フラメンコ組曲』は、今は亡き6人のマエストロに捧げた作品であると語っていた。その最初に名前が挙げられていたのが、パコ・デ・ルシアである。
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2012年のカルロス・サウラの『フラメンコ・フラメンコ』も、昨日記したラファ・モレスとペペ・アンドレウの『パッション・フラメンコ』も共に、メーンキャストはサラ・バラスとパコ・デ・ルシアであった。カリスマ的バイラオーラのサラ・バラスとフラメンコに革命を起こした男と言われるパコ・デ・ルシアの二人。
パコ・デ・ルシア、後年、「ギターが人生そのものになるとは思いもしなかった」と語っている。しかし、7歳でギターを始めた時、難しく感じなかったそうだ。リズム感がよかった、と。
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『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』、監督:クーロ・サンチェスによるドキュメンタリー。
このクーロ・サンチェスという男、パコ・デ・ルシアの息子だそうだ。
小さな頃から親父・パコのギターを聴いていれば、オレも親父の後を継いでギタリストに、なんて思えるワケはない。映像作家となって正解だ。
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アコースティックギターのフラメンコギター、超絶技法の極み。
「自分自身を表現する方法は、これ以外ないからだ」、とパコ・デ・ルシアは語る。
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スペインアンダルシア、アルヘシラスで生まれたパコ・デ・ルシア、フラメンコに固執しない。
アメリカへ渡り、チック・コリア、ジョン・マクラフリン、カルロス・サンタナという、ジャズ、フュージョン、ロックなどの異ジャンルのスターとも交わっている。彼らはパコ・デ・ルシアのことを、「とても創造的なミュージシャンだった」、と語っている。
そう、語っている。
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稀代のフラメンコギタリスト、パコ・デ・ルシア、2014年、旅先のメキシコで急逝する。
死因は心臓発作。享年66。
79歳を過ぎてなお、ふーらりふらり生きている私、発する言葉もない。