ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス。

前世紀末、アメリカのギタリストであるライ・クーダーが、キューバのオールドミュージシャンをプロデュースし、世界的ヒットを飛ばした。その後、1999年、ロードムービーの巨匠・ヴィム・ヴェンダースが『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を撮った。
いや、面白い映画であった。ハバナの町を疑似体験しているようだった。
それから20年余経つ。
f:id:ryuuzanshi:20181001175612j:plain
<18年の愛をこめて。>か。一昨年の映画だった。速いものだ。ヴィム・ヴェンダースの『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』から。しかし、ハバナはそう大きく変わってはいない。
キューバ、アメリカにはずいぶん虐められてきた。ハバナの町には、革命前のがたいのデカいアメ車ばかりというのに。ポンコツ車を直しに直して。
f:id:ryuuzanshi:20180928141311j:plain
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ アディオス』、監督はルーシー・ウォーカー。
制作・総指揮として、前作の監督・ヴィム・ヴェンダースの名が。
50年代の大物たちが出ていた前作から18年。まだ健在のメンバーが集まる。「アディオス」、さよならの世界ツアーに。
f:id:ryuuzanshi:20180928141331j:plain
「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」のオリジナル・メンバー。
オマーラ・ポルトゥオンド、ルーベン・ゴンザレス、95歳まで生きたコンパイ・セグンド、・・・、・・・。
f:id:ryuuzanshi:20181001180109j:plain
「アディオス」のオルケスタには、若いメンバーも。
f:id:ryuuzanshi:20181002125651j:plain
1930年生まれのオマーラ・ポルトゥオンド、「最後の最後まで歌い続けたい」、と語っている。
f:id:ryuuzanshi:20181002125709j:plain
1959年のフィデル・カストロの革命以来70年。社会主義国キューバは貧しい中にある。しかし、皆さん明るくオシャレなんだ。
f:id:ryuuzanshi:20180928141352j:plain
ハバナの町、行きたい町のひとつであった。が、叶わなかった。
一度だけ、行く予定を立てていたが。
20数年前となるが、メキシコ、ユカタン半島のカンクンへ行った。マヤの遺跡・チチェンイツァを訪れるため。カンクンからハバナまではひとっ飛び、眼と鼻の先、1、2時間である。2、3日、ハバナへ、と考えていたが事情がありやめた。
私のハバナも、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ同様、アディオスである。



今日、中国の全人代では、香港に対する国家安全法制を可決した。
一国二制度、香港の高度な自治を制限するものである。
1997年7月1日、香港は中国へ返還された。50年間は一国二制度、香港の自治権は護るというもの。
その日の新聞に、香港で催されたファッションショーの写真が出ていた。それを複写し、4枚を合成、額装した。
今日、23年ぶりに額装を解き、合成写真を取り出した。
f:id:ryuuzanshi:20200528211123j:plain
これである。
この写真の記事が額の中に入っていないかと思っていたが、なかった。
ただ、下の方に、<香港 22日 ファッション>とかろうじて読み取れるところがある。
おそらく、7月1日の返還直前の6月22日に催されたファッションショーの写真であろう。
モデルの目、大きな五星紅旗で覆われている。
香港の行く末、今日の全人代の模様を予見していたのではないか。幅広の五星紅旗で目を覆われた23年前の香港のモデル、確実にそれを予見していたに違いない。
中国という国、「習近平同志を核心とする共産党の指導の下に・・・」という国。共産党一党独裁の国である。が、金儲けばかりしている。世界のビリオネアがいっぱいいる。
中国の共産主義、資本主義的共産主義なんだ。
キューバも社会主義国である。キューバ共産党の一党独裁。
であるが、キューバの共産主義は明るい。中国のように暗くない。キューバの共産主義は陽気である。中国のように金儲けに向けて走っていることはない。だから、今もって貧乏。
キューバの方が好きだな。