イエスタディ。

ジャック・バースという男、風変わりな物語を考えた。
ある時、世界規模の大停電が発生する。たった12秒間の停電であるが、その間、売れないミュージシャンであるジャックが交通事故に遭う。昏睡状態から目覚めたジャック、周りの人の誰もがビートルズのことを知らないことを知る。
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どこの国でもそうだが、ミュージシャンになりたいという若者は多い。が、ほとんどの者は諦める。その見極めは30が迫ってきた時。目が出ない。食っていけない。で、夢は諦めて勤め人となる。私が知る人にも、そのような過程をたどり立派な勤め人となっている人がいる。
『イエスタディ』の主人公・ジャックは、30にはまだ少しありそうだが、目が出ない。そろそろ地道な生活を考えたらどうか、と他人事ながら年寄りの私は考えていた。
ところが、世界的な大停電中に受けた交通事故の昏睡状態から覚めたら、世の中はガラッと変わっていた。あのビートルズを誰も知らない。知っているのは、売れないミュージシャンであるジャックだけ。
今、世界の知性、叡智と言われる学者の皆さんが、こぞって「新型コロナの後の世界は激変する」、と語っている。昏睡状態から覚めたジャックも、同じような状況の世界にいる。
何しろあのビートルズの歌どころかビートルズ自体を知らないのだから。世界は変わってしまったのだ。
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『イエスタディ』、監督は、ダニー・ボイル。あの『スラムドッグ $ ミリオネア』を撮った監督。アカデミー賞の作品賞、監督賞を取った。面白い映画であった。
脚本は、リチャード・カーティス。あれっ、ジャック・バースという男の脚本ではないのか。実は、ジャック・バース、途中で外されたそうだ。その後を引き継ぎ脚本を仕上げたのはリチャード・カーティス。
ジャック・バースは、原案としてクレジットされている。
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アビイ・ロードではない。
ジャック、イギリスの東側の港町・サフォークの出身。
ビートルズがらみが多く出てくる。
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ジャック役に扮するのは、インド系イギリス人のヒメーシュ・パテル。
幼馴染みの恋人・エリー、学校の教師をしながらジャックを支える。エリーに扮するリリー・ジェームス、めちゃくちゃ可愛い。
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エド・シーランというイギリスの若いミュージシャン、私はまったく知らなかったが、今、大変なビッグスターだそうだ。
そのエド・シーランがジャックを訪ねてくる。
ヨーロッパ・ツアーのオープニングアクト、つまり前座で、ジャックに出ないかとのオファー。
何と、エド・シーラン本人が、本人を演じている。
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「イエスタディ」、「ヘイジュード」、「レット・イット・ビー」、・・・、・・・。ビートルズへのオマージュだ。
ジャック、次第に富も名声もということになっていく。アメリカ進出も。
しかし、ジャック、そのような道を進むことを選ばない。
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やっぱりそうかって結末となるが、それがいい。
金のことなんて考慮の外というラブストーリー、心地よい。


ドナルド・トランプ、WHOを脱退するそうだ。
トランプを諫める奴はいないのかと思うが、諫める奴はすぐに首になっている。
暫らく前、民主党院内総務のナンシー・ペロシがこう言っていた。
「あのバカの言うことには、相手にしないのよ」、と。
ナンシー・ペロシが相手にしないと言ったって、困ったことにドナルド・トランプはアメリカ大統領、世界中の人たち、みな迷惑をこうむるな。