奥宣憲の書。

やはり一週間ほど前、奥宣憲さんからレターパックが届いた。品名に「謹呈 二十周年記念図録」と記されている。
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「いつも東京展にご来場くださる皆さまへ 中止のお知らせ」、と記された4月28日付けの紙片が入っている。新型コロナウイルスの影響で、と。
奥宣憲、毎年の地元関西での展覧会の他、2年に一度、偶数年に東京でも展覧会を開いている。今年はその年にあたるのだが残念だ。
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今年は、「日本のこころと美」と銘打っての初個展から連続20年目の節目の年だそうだ。
「日本のこころと美 二十周年記念 奥宣憲の書」と題された図録が入っていた。
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不鮮明だが、書家・奥宣憲の挨拶文。
新型コロナに足元をすくわれた人は日本中あちこちに。20周年記念展に向け気合の入っていた書家の奥宣憲も。
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<山頭火 其中日記より>。
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利休と山頭火、火花が散る。
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『源氏物語』シリーズから「松風」と「乙女」。
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上島鬼貫『獨ごと』、『鬼貫句集』。
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芭蕉は東か、半分は西のような気もするが。鬼貫は西だな。
<おもしろさ 急には見えぬ 薄かな>。
奥宣憲の図録、毎回歴史の勉強を教えてくれる。
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<天下のも能ゝ上手といへども・・・>、強弱自在の筆づかい。
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吉田兼好『徒然草 第一五〇段』。
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20周年記念の今回展の主役を張るのはこの作品であろう。銀箔六曲古屏風。
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春は、夏(は)、秋ハ、そして冬。
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この間も。
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このような。
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巻末に奥宣憲の落款集があった。
なお、関西展と東京展中止のお知らせの紙片には、11月の川端康成文学館での個展は、新型コロナウイルスが終息したら実施と記されている。
そうあれかしと思う。