ヴィンセントが教えてくれたこと。

ニューヨーク・ブルックリンに、酒とギャンブルの日々を過ごすチョイ悪オヤジと言うか不良ジジイが猫と住んでいる。
ある時、その隣に小学生の男の子を連れたシングルマザーが引っ越してくる。シングルマザーは忙しい。不良ジジイ、やせっぽちの男の子を時給12ドルで預かることとなる。男の子、転校した学校で悪ガキにいじめられている。
不良ジジイ、そうだヴィンセントって名前なんだこのジジイ、やせっぽちのいじめられっ子・オリバーに喧嘩の仕方を教える。そればかりか、酒場や競馬場へも連れていき酒の飲み方や万馬券の取り方までも教える。
さらにはヴィンセント、本職はストリッパーであるが売春を副業としているロシア人・ダカとも仲がいい。時折り、ダカの副業を利用させてもらっているが、その代金はある時払いの催促なしのツケ。お互い助け合ってるんだ。
『ヴィンセントが教えてくれたこと』、脚本、監督はセオドア・メルフィ、とてもよくできた作品である。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』、不良ジジイといじめられっ子のバディームービーである。
バディームービー・相棒物語、面白い。
特に不良ジジイとひ弱な男の子とか、頑固ジジイといじめられっ子のバディームービー、堪えられない。
ジジイは、チョイ悪であったり、不良であったり、頑固であったり、というタイプが相応しい。
近場では、クリント・イーストウッドの『グラントリノ』が思い浮かぶ。
イーストウッド扮する頑固ジジイ、隣に越してきた東南アジアからのモン族の少年に肩入れしていく。命を賭して。

ヴィンセントに扮するのは、ビル・マーレイ。素晴らしい。
ところで、不良ジジイ・ヴィンセント、ベトナム帰還兵なんだ。
あなたはどのような感慨を持つ?

ヴィンセントとオリバー。

時代は、ベトナム戦争後。


3月末から4か月間、映画には触れなかった。あちこちへ行っていたりしたこともある。
暫らく映画に戻る。まずは、ニューヨークが舞台の幾つかの作品から。