ニューヨーク眺めのいい部屋売ります。

『ヴィンセントが教えてくれたこと』の世界も『しあわせへのまわり道』の世界も、とても心温まる心地いい世界であるのに、同じニューヨークに住みながらドナルド・トランプの世界はどうしてああも排他的で心地悪いんだろう。
同じニューヨーカーとは、とても思えないよ。

『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』も心地いい作品。
監督はリチャード・ロングレイン。多様な社会であるニューヨークを切り取っている。

結婚して40年をすぎた夫婦、亭主は絵描きのアレックス、女房は元教師のルース。
アカデミー賞受賞の名優、モーガン・フリーマンとダイアン・キートンが扮する。亭主は黒人、女房は白人、というところもニューヨーカー。

まさにニューヨーク・タイムズが言う通り。分別ある大人の誇りと喜びがあふれている。
おそらく次期大統領となるであろうドナルド・トランプも、もう少し分別ある大人となれ、と言いたい。

アレックスとルースの夫婦、ニューヨークのブルックリンに住んでいる。ヴィンセントと同じブルックリンに。川向うだ。
実は私、ブルックリンといえば4、50年前にニューヨークへ行ったギュウちゃん・篠原有司男が頭に浮かぶ。ギュウちゃんがブルックリンに住んでいるんだ。だから、ブルックリンと言えば、場末の町というイメージがあった。
しかし、今は違うらしい。ブルックリン、お洒落な町でもあるようだ。
ブルックリンのアパート、何十年か前に買った時にはさしたる値ではなかったが、今では億の単位に値上がりしている模様である。
アレックスとルース、アパートの屋上で植物も育てている。
それはそれでいいのだが、アパート最上階の5階に住むアレックスとルース、ひとつ悩みがある。
エレベーターがない、ということなんだ。
アレックスがだんだんきつくなってきたんだ。
で、ここは売り払ってどこかもっと楽なところに移ろう、ということになる。女房・ルースの亭主・アレックスへのはからいだ。

どうもこの夫婦の間には子供はいないようだ。
が、ドロシーという犬を飼っている。飼い犬、子供と同じである。今年、飼っていた犬を亡くした私、人と犬との関係よく解る。

犬が急病となったり、マンハッタンへの橋でのテロ事件が起こる。
右端の5番街、東27丁目、急病となった犬を連れて行ったところである。
この5番街を北の方へ上っていけば、ドナルド・トランプが住むトランプタワーがある。30年ほど前ニューヨークへ行った折り、トランプタワーへも行った。ケバいものであった。ニューヨークへはその後何度か訪れたが、トランプタワーには入らない。

犬が元気になった時だったかな。

ブルックリンからイースト川をはさんでマンハッタンを見るアレックスとルース。
見えている橋は、ウィリアムバーグ橋。


東京都知事選、小池百合子が圧勝した。
当然だ。
覚悟が違う。
何日か前、石原慎太郎がこう言った。
「厚化粧の大年増の・・・」、と言い「私の息子が苦労している・・・」、と。
慎太郎にしては、情けない言葉。このような発言も小池百合子には追い風になる。
小池百合子、縦横無尽に都議会と切りまじえてもらいたい。


九重が死んだ。享年61。
優勝31回を誇る元横綱・千代の富士である。
体重120何キロ、力士としては小さな体を筋肉で、と考えた肉体改造であった。で、31回の幕内優勝、白鵬、大鵬に次ぐ回数である。小さな大横綱であった。角界初の国民栄誉賞を受けた。
それにしても、はやい。