やまとめぐり(3) 今井町(続き×2)。

<奈良の町以外に、今井というような町が勃興する原因は、よくわからない。おそらく「座」のような中世的専売制が戦国時代にくずれ、楽市楽座的な自由経済の機運が出てきてからこの町ができたのではないかと思われる>、と前出書で司馬遼太郎は語る。
今井町、中世以来、兵力を伴った商業都市として生きてきた。
今、「座」を思わせる面影は幾つもの豪壮な建物の中にしかない。が、今を生きる商いは、その町中で続いている。

郵便局。

銀行。

薬局。

ここも薬局。
ウインドウの中、「井上博士! ロート目薬」。その他のものも趣きのある薬であろう。

今井長屋。
「障がい者就業・生活支援センター」、と記されている。

「ゆうゆ〜今井」。 「文化教室 よろずや館」とも記されている。

酒屋。

クロネコヤマトも。

道に大きな樽が置かれている。
醤油の醸造元である。

喫茶店。
コーヒー ホット 350円、アイス 380円と記されている。しょうが湯 380円、ゆず茶 380円とも。

床屋。
こんな散髪屋初めて見た。
ボウとしてランタンのように見えるが、小さな二つの灯り、赤と青のねじりんぼう、散髪屋のマークなんだ。今井町ならではの散髪屋であろう。

漬物屋。

白菜うま煮や赤かぶうま煮は230円。
350円と高いのは、柿うま煮、竹の子うま煮、水なすうま煮、もろこしうま煮。
柿うま煮という漬物が食べたい。店が閉まっていたかもしれないが、今から思えば、買うという思いがなかった。

重要文化財・河合家住宅。

河合家、造り酒屋である。その玄関には杉玉が。

判読しにくくなった。

暗くなってきた。
7時半に近くなってきた。

ここから今井町に入った大きなエノキのところに戻ってきた。

暮れなずむ大和の今井町。
こちらから見れば、左上の方は橿原神宮の方。そこに小さな山が写っている。
おそらくこの小さな山は畝傍山であろう。大和三山のひとつの畝傍山。
大和、そのすべてがなだらかなんだ。
<繰りかえすようだが、奈良という町こそ中世の座