やまとめぐり(17) 長谷寺(続き)。

我が国で聖地巡礼と言えば、まず思い浮かぶのは四国八十八か所のお遍路さん。しかし、日本で最も古い巡礼は西国三十三か所の巡礼である。
第一番は、熊野那智の青岸渡寺。青岸渡寺から拝む那智の滝、身が震える。岡寺、興福寺南円堂、六波羅蜜寺、・・・・・、みな観音信仰の霊場。
大和の国、長谷寺はその第八番霊場である。
御詠歌は、平安時代中期の第65代天皇・花山天皇が詠まれたという・・・
     いくたびも まゐる心は はつせでら 山もちかひも ふかき谷川

長谷寺本堂外陣のさらに外、舞台へ出る。

舞台から本堂外陣(礼堂)を見る。

礼堂。

舞台から登廊を見る。

見えているのは上登廊。

長谷寺本堂、懸造りである。
室生寺の金堂も懸造りであるが、室生寺金堂は、小ぶりで優美な懸造り。長谷寺本堂の懸造りはより大がかり。
懸造りのレジェンド・京都清水寺の”清水の舞台から・・・”には及ばないが、立派なものである。

懸造り、多くの柱が支えている。

若いお坊さんがいた。何をしているのかな、と思ったら・・・

本堂前の賽銭箱からお賽銭を回収していた。
ウーン、俗なものを見てしまったな、と。
お寺も現代社会の中で生きているのだからな、ということを改めて感じる。

舞台から下の方を見る。初瀬の門前町の方を。
初瀬、山に抱かれている。

擬宝珠のすぐ右に白いものが見える。

近寄る。
工事のため覆われたテント。
仁王門である。

舞台のこちらから五重塔を見る。

木々の中に五重塔。

その場の下を見る。
国宝である長谷寺本堂を構成している素材の木々を。
その肌理、何と言おうか。

長谷寺の境内、多くの堂宇がある。
正面のお堂は開山堂。

長谷寺を開基した徳道上人を祀るお堂。

今回は、五重塔までは行かなかった。すぐそこなんだが。木々の間に間にの五重塔。
なお、前のお堂は、本長谷寺。

私はショートカットして、中登廊と下登廊の繋屋へ向かう。

繋屋。
アジサイにはまだ少し早いか、という頃であった。

この下登廊を下り、工事中の仁王門を通り抜け、長谷寺の大きな石柱の所に戻り、タクシー会社へ電話する。10分ほどでタクシーは来た。来た時と同じ運転手だった。
「来た時と同じ運転手さんですね」、と言うと、「そうでんな」、と返ってきた。
「長谷寺、昔は歩いていたのですが」、と話すと運転手こう言った。
「年取ると、長谷寺はだんだん遠うなる言いますさかいな」、と。
たしかにそうである。しかし、タクシーがあることありがたい。