やまとめぐり(1) 今井町。

<「今井千軒」
と、戦国期にいわれた大和の商業都市が、ほぼ旧観を偲ばせる家並で・・・・・。
私は、戦国期の堺の富商でもあった今井宗久がこの大和高市郡の今井庄(現・橿原市)の出身だということ以外に、この町について知らない>(司馬遼太郎著『街道をゆく 7』 朝日文庫)。
1971年から1996年まで足かけ25年に及ぶ司馬遼太郎の『街道をゆく』、全43巻に及ぶが、各巻4、5街道、時にはそれ以上の街道が記されている。その第7巻には、「甲賀と伊賀のみち」や「砂鉄のみち」などと共に「大和・壺坂みち」がある。「大和・壺坂みち」、「壺坂」の名に惹かれ司馬遼太郎が仮りにつけた名である。
中で司馬遼太郎、「今井の環濠集落」の章を立て、中世の商業都市・今井に思いをはせる。
ひと月近く前になるが、大阪での叔母の葬儀が終わった後大和へ行った。近鉄の大和八木近くのホテルを取った。すぐ近くが今井町である故。
チェックイン後、5時半すぎ、今井町へ行った。今井町へ行くのは二度目。以前は遥かな昔、2、30年ぶりである。

大和八木からすぐ近く、小さな川が流れる。飛鳥川である。そこに蘇我橋がかかる。
橋の向こうは今井町。

樹齢420年といわれる大きなエノキが目に入る。

今井町へ足を踏み入れる。
<橋をわたると、土地がひくくなる。「堀をめぐらし」と、「和州軍記」にある堀らしいものが道路の右側に沿っているが、溝のようでもある。そのころの自衛のための堀は・・・・・>、と司馬遼太郎は記す。

奈良県指定文化財の山尾家住宅。

このようなもの。

アジがあると言おうか何と言おうか。

今井町の町中、細い道が続くが、人の姿は少ない。夕刻ということもあろう。雨模様ということもあろう。
それよりも、細い道、よく見ると真っすぐではないんだ。微妙に曲がっている。交差する四つ筋がずれているんだ。敵襲からに備えているんだ。今井町、中世の商業都市であると共に、城砦都市とも言えるんだ。

浄土真宗・順明寺。
<「今井村と申所は、兵部と申す一向坊主の取立たる新地にて候」と、ある>、と司馬遼太郎。

順明寺、浄土真宗。一向宗である。
<一向宗というのは、本願寺教団のことである。鎌倉期に親鸞がひらいた浄土真宗というのは、・・・・・>。

このような立札があった。
今井町、寺内町である。
左側の地図、水色となっている所が6か所ある。いずれも寺社である。

<大和は、・・・・・ほとんどが興福寺領であったために、戦国期にあっては中世の旧態依然とした体制が古ぼけたままのこっていたが、・・・・・>、と司馬遼太郎。
今井町の立札の文言の今井庄は、このような。

今井町、自転車が似合う町である。

重要文化財・上田家住宅。

今井町には重要文化財に指定された住宅が8軒ある。
上田家、そのひとつ。

その屋根瓦、幾層にも重なる。

男の子がいきなり追い越していった。

家々の前には細い溝があり、水が流れる。

こういう看板がある。
今とさほど変わらない今井町の古地図。

この日の夕刻は、雨が降ったりやんだり。

重要文化財・中橋家。

このような。

また細かい雨が降ってきた。


バングラデシュ・ダッカでのテロで犠牲となった7人の日本人、今朝、政府専用機で帰国した。
皆さまジャイカ関連企業の人、幾つもの発展途上国に夢をかけてきた有能な人ばかり。
無念であり、理不尽である。
が、戦争の形、確実に変わった。
国対国から組織対個、或いは個対個へと。
オリバー・ストーンの「7月4日に生まれて」を思い出す。
昨日7月4日は、アメリカの独立記念日である。オリバー・ストーン、その「7月4日」でベトナム戦争の不条理を描いた。アメリカ対ベトナム、国対国の戦いであった。
しかし、バングラデシュ・ダッカのテロは、国対国の戦いではない。組織体個、ないしは個対個の戦いである。防ぎようがない。
バングラ政府がいかに否定しようとも、ISの仕業であろう。ISから言わせれば、日本も十字軍の片棒を担いでいるんだ。
覚悟がいる。


都知事選、与野党とも迷走している。
自民も民進も腹が据わっていない。度胸がない。情けない。度胸があるのは小池百合子のみ。
誰が出ようと、度胸の据わった小池百合子が勝つであろう。


松山英樹、リオ五輪を辞退した。
ジカ熱や治安、その他のことで。
松山英樹ばかりじゃなくゴルフでは、トッププレーヤーのリオ五輪辞退が相次いでいる。常に数千万円の賞金を争っているゴルフのプロである。どなたであったか、「オリンピックへ出るメリットはない」、と語っている人がいた。オリンピックにゴルフはそぐわない。
ライフステージということを考えた場合、松山英樹の決断をどうこう言うことはできない。


先ほど先斗町で火事があった、という。
あの道幅一間もありやなしやという先斗町の町並み、消防車など入ることはできない。どうやって火を消したんだろう。