バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)。

出かけることが続き、ブログも暫らくお休みとした。が、また暫らくの間映画へ戻る。
今年のアカデミー賞、メーンの作品賞は混戦であった。『アメリカン・スナイパー』、『6才のボクが、大人になるまで。』、『グランド・ブダペスト・ホテル』、『セッション』など8作品がノミネートされたが、受賞したのは、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』であった。前評判は、『6才のボクが、大人になるまで。』であったのだが。

『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。
<もういちど輝くために、もういちど愛されるために、すべてを手放し、羽ばたこう。>、と記されている。浮き上がっている。「バードマン」なんだな。

かって「バードマン」を演じスーパーヒーローになったがその後燻ぶっていた男が、今一度と思うんだ。
だから、<すべてを手に入れ、すべてを手放した。もういちど輝くために、・・・・・>、となる。

『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、監督は、菊地凛子を知らしめた『バベル』のアレハンドロ・G・イニャリトゥ。
イニャリトゥのこの作品『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』、本年度アカデミー賞の作品賞ばかりか、監督賞、脚本賞、撮影賞と主要な4部門で受賞した。
コメディーでもある。虚実ないまぜの物語でもある。「バードマン」なんだから。
それよりも、かってはスターであったのに今は日も当たらない、という男の「エイヤッ」って勝負をかけた物語でもある。ニューヨーク、マンハッタンの42丁目、ブロードウェーの劇場で、レイモンド・カーヴァーの作品を、自ら脚色、演出、主演する、ということを考えるんだ、この男・かってのスーパースターであるリ−ガン・トムソンは。

中央は、主人公リーガン・トムソンに扮するマイケル・キートン。その右は、娘サムに扮するエマ・ストーン。左から2人目は、実力派の役者であるがいけ好かないマイクに扮するエドワ−ド・ノートン。

リーガンとマイク、激しい心理劇が。

マイクとリーガンの娘、薬物依存症であったサム。

リーガン、ブロードウェイの劇場街で浮いている。

ブロードウェーでのプレビュー。シビアなニューヨーク・タイムズの劇評。リーガン、舞台で実の拳銃を使うが、頭を外れ、飛んだのは鼻だけ。でも病院のベッドへ。娘のサムが見舞いにくるが、リーガンの姿はない。窓が開いている。サム、下を見るが、リーガンの姿はない。上を見る。
そう言えば、タイトルにある(無知がもたらす予期せぬ奇跡)、上記の実の拳銃使用以下のことごとによって納得、そうか、となる。


先日記した「ジョン万次郎と吉田さん」について、吉田さんから「一部訂正を」とのメールが来た。
その経緯はこういうことである。
売りに出されていたジョン万次郎が世話になったホイットフィールド船長の家を、当初、吉田さんと日野原重明さんの2人で買ったそうだ。が、その後、遺族の方から町へ寄贈してほしい、との申し入れがあり、そうしたという。
その折り、日野原先生から一般からの募金でという話があり、一般からの募金を募った、という。当初、吉田さんが負担していたお金も戻ってきたそうだ。
だから、ホイットフィールド万次郎友好記念館は、吉田さんと日野原さんの2人が作ったものではなく、多くの人の寄付によって成立っている、ということのようである。
吉田礼三さん、今は2年前に設立した一般社団法人「ジョン万次郎に学ぶ会」に軸足を移し、年に2回、日本へ戻ってきた時に、全国の小中学校でジョン万次郎の「勇気と努力の物語」を伝えているようだ。
どうであれ、凄い。