中秋の名月。

昼間、外へ出ていた。夜、帰る道すがらふと気がついた。丸い月が出ている。
そうだ、今日は旧暦8月15日、中秋の名月だ、と。
実は、昨日も昼間、外へ出ていた。しかし、夕刻からご馳走になり、少し酒も入っていたためか、帰途、丸い月は出ていたはずなのに気がつかなかった。
今日の月・・・

中秋の名月、旧暦8月15日の月、今年は今日の月である。
望月、満月である。
しかし、中秋の名月、必ずしも満月とは限らないそうである。
今年も含め、ここ3年の中秋の名月は満月であったが、来年以降の中秋の名月は満月ではないそうだ。次の中秋の名月が満月となるのは、8年後の2021年だそう。東京オリンピックの翌年だ。私の生存、すこぶる怪しい。
ま、今夜の中秋の名月が、満月の中秋の名月の観納めであろう。

大きな木の先端の葉の間から、今宵の中秋の名月を観る。
三百数十年前、毎年、中秋の名月を愛でていた芭蕉の句を二つ。
     名月や池をめぐりて夜もすがら
貞亨3年(1686年)の中秋の名月。
     俤や姥ひとり泣く月の友
貞亨5年(1688年)の中秋の名月。

お月見である。
実は今日日中、王子の飛鳥山へ行っていた。久しぶりで、飛鳥山の「紙の博物館」へ行っていたんだ。「紙の博物館」を出た後、すぐ隣りの「北区飛鳥山博物館」へも入った。
「北区飛鳥山博物館」、王子、飛鳥山、滝野川のことごとも展示されている。その中に、江戸期だか、明治になってからだろうか、民家のお月見のお供えがあった。
たまたま写真を撮った。それが、これ。日中には、今日が中秋の名月であることなど、まったく頭になかった。だから、このお月見のお供え、まったくの偶然である。

その下には、このような説明があった。<お月見は奈良、平安時代に・・・・・>、という。
北区、飛鳥山の辺りである。
ススキ、月見団子、里芋、果物。
風情がある。いいな。
借景ならぬ借写真、今宵の名月のお供えとする。