ウーン、何じゃこれー。で、ハイヨー・シルバー。

2か月ほど前の近所のシネコンには、こういうスタンディが立っていた。

こういうものを見ると、見なきゃしょーがなかんべ、と思うよね。

『ローン・レンジャー』か。

ジョニー・デップと「パイレーツ・オブ・カリビアン」の製作&監督が組んだんだ。
”王道エンターテイメント”ってことは、正真正銘これぞ真のエンターテイメントってことなんだな、きっと。

白塗りの顔の左右2本の黒い線。頭上にはカラスの剥製。
”聖なる力”を操る悪霊ハンター、トント。扮するは、もちろんジョニー・デップ。

テンガロンハットに黒いマスク。
”聖なる力”で甦ったヒーロー、ローン・レンジャー。扮するは、アーミー・ハマー。

”世界を変えるのは、正義か?復讐か?”である。
いや、もちろんお話はありますよ。
西部の地ではあるが、正義を標榜する男、ローン・レンジャーは、悪人をバンバン殺せばいいのに、そうしない。「法の裁きにかける」なんて言う。で、逆に何度も殺されかける。
復讐を誓う悪霊ハンター、トントは違う。トマホークを手に、バカバカ悪人を殺していく。
この二人が手を組む。キモサベだ。友、相棒だ。
”王道エンターテイメント”の場は幾つもある。
最大の見せ場は、疾走する列車でのガンファイトを含むバトル。走る列車の上を白馬に乗ったローン・レンジャーが疾駆する。
ダヴィッド描く≪アルプス越えのナポレオン≫を凌駕する白馬・シルバー。いや、カッコいい。でも、列車の上を走っているのに、先頭には行きつかないんだ、不思議なことに。
背景には、ロッシーニの歌劇『ウィリアム・テル』の序曲が流れる。ほら、あの小学校の運動会のリレーの時に流れる曲。タンタカタンタカタンタンタン、タンタカタンタカタンタンタン、・・・・・というヤツがずいぶん長く続く。声には出さないまでも、身体で拍子をとっている。
でも、”ヤッパ、何じゃこれー”って感じだな。その後、「ハイヨー・シルバー」って鞭を入れたにしろ。


今日未明のIOC総会の模様、2020年のオリンピック、東京に決まった。
昨日までの報道、福島第一原発の汚染水の問題が各国メディアから、ということだったので、難しいか、と思っていた。最終プレゼンテーションがひっくり返した、ということらしい。
確かに、G20から駈けつけた安倍晋三のスピーチもよかった。フェンシングの大田選手や、パラリンピックの女子選手のスピーチもよかった。
何よりよかったのは、高円宮妃のスピーチであった。皇族と政治、ギリギリの線を歩んだ。フランス語と英語によるスピーチもよかったが、なによりその立居振舞いがよかった。
皇族に嫁した女性、雅子さまはお気の毒な面はあるが、苦悩されておられる。紀子さまは将来の天皇の母として、ご立派に心を砕かれておられる。
今日未明、ブエノスアイレスのIOC総会の場に登壇された高円宮妃久子さま、雅子さまや紀子さまと異なり、ごく自然な物腰であった。ごく自然な立居振舞でありながら、堂々とし、典雅でもあった。
東京、凄い隠し玉を持っていた。