足利CON展(7) 茂右衛門蔵。
足利の町、味があるなーという建物を時折り見かける。
この建物も。
いかにもコンクリートといった建物である。昭和初めかな、ひょっとしたら大正かな、と考える。時代色がついている。
この建物もコンクリート造。「写真館」というのがいい。現役の。
その向こうに白い建物が見える。
白漆喰の蔵。
<安政5年に建てられ、機織り業の蔵として使われた>、とパンフにある。
「茂右衛門」ってその機織り業の男の名なんだな、おそらく。カッコいい。
このような張り紙がある。
ここから入る。
壁面とピアノ線が張られた上に写真が浮かんでいる。
作家は岩本圭司、タイトルはなんだかとても不思議。こういうもの。
≪Behind The Veil・・・石ころがただそこにぽつんとあるということに負けている≫。
「ベールの裏」というのは解かる。ピアノ線の上の写真に、ベールのようなものがかかっているので。しかし、その後にある言葉はすぐには理解できない。
だいたいこのベールのようなものの下の写真は石ころなのかが、不確かなんだ。
作家の岩本圭司、パンフにはこう記しているんだ。<モノクロームの水の写真を・・・>、と。
石ころのようにも見えるし、水のようにも見える。
雨模様の日、茂右衛門蔵には誰も入ってこない。
ベールがかかっているような写真が、ピアノ線の上に浮かぶ。
形而上学的作品と言えようかな。
藏の外は明るい。
藏の入口の横に、白い小さなものがあるのには、藏に入る時から気づいていた。
これである。
<牛乳パック再生紙で制作された子供を・・・>、とパンフにある。
作家は高橋理加、タイトルは≪Lightness of Being 忘れられた子≫。
これも難しいな。どうしてこの英文がこの日本語になるのか、私には。
この作品、昨日記した旧今井医院にもあった。あちこちにあるようだ。
その横の方に、このようなものがある。
雨に濡れたこれ、明らかに制作物、作品であろう。
しかし、作家名もタイトルも見当たらない。
藏のこちら側にも。明らかに彩色した石が。
ずいぶん昔、拾ってきた石に絵の具を塗っていたことがある。面白いんだ。これもそうなのかな。
魚が描かれている。
しかし、この作品の作家もタイトルも分からない。
<石ころがただそこにぽつんとあるということに・・・>、という岩本圭司の作品と考えるのが妥当かな、と思われるが。
安美錦が引退した。
関取最高齢の40歳。初土俵は平成9年。関取在位117場所、歴代トップタイ。悔いはない、と語る。
今場所2日目、竜虎に敗れた時、古傷の膝を痛めた。安美錦の身体、テーピングだらけである。もうここらでいいよ。
が、安美錦、さすがベテラン。21歳の竜虎が自分に怪我をさせたことを気にしていると聞き、「気にするくらいなら、四股を踏め」とLINEで言っている。
さすが20年以上土俵で生きてきた男が、これから土俵で生きる若者への言葉。
人間を感じる。
トランプが、またもや人間味の全くないことを語っている。
民主党の非白人の女性議員を念頭に、「アメリカが嫌いなら出ていけばいい」、と言っている。人種差別主義者ということはもとよりであるが、人間としてなっていない。共和党の中からでも、それはまずいという声が出ているそうだ。
その男が、世界最強の国・アメリカの大統領であるなんて。今さら、何度言っても始まらないが。
安美錦とトランプ、人間力の違いを感じる。