足利CON展(6) いのち。

さて、CON展を続ける。
旧今井医院には3人の作家が出展している。
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この右の方の入り口から入った。
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入ってすぐ、このようなものがあった。
白っぽい不思議な塊りである。
ここをまっすぐに奥の方へ進んでいったら、昨日記した「とこしえのめぐり」の栗原英樹さんがいた。
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左の方に洋間がある。
ここにも白っぽいなにか不思議なものがある。「ある」というより「いる」、という感じを受ける。
生き物のようにも見える。白いネズミのようにも。顔のようなものはないが、胴体から3、4本の尻尾のようなものが出ている。
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この窓辺にもいる。
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こういうものであった。
タイトルは、≪記憶の痕跡≫。作家名は、小沢智恵子。
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ここにも生き物と見まがう、不可思議なものがいる。
前日案内所でもらったパンフには、作家の言葉としてこう記されている。
<種の記憶をテーマに、生と死、過去と現在と未来に続く”いのち”を、羊毛という素材を使って出現させる>、と。
奥の部屋の栗原英樹さんのテーマも「死と再生」であったが、小沢智恵子さんのテーマも「生と死」であるようだ。
それを羊毛、フェルトを使って表現している。
独自な造形だ、と感じる。
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ここにもフェルトの不思議なものがひとつ、乃至は一匹いる。
しかし、ここで面白いのは、窓の外に写っているガタピシの自転車である。石黒和夫という人の作品である。が、今は、そのことを記そうとしているのではない。
昨日から触れている栗原英樹さん、こう語る。「女性は凄いですよ」、と。そして、こう続ける。
「私の奥さん(と言ったか、女房と言ったか、妻と言ったか、カミさんと言ったかは覚えていないが)は、作品も作っていますが装身具やジュエリーを作って稼いでいます」、と。それに続け、「小沢智恵子さんはもっと凄いですよ。小沢さんはこのCON展の代表者ですが、このような作品を作ると共に、アーティスティックなデザインのコスチュームをあちこちに展開しています。ホントに女性は凄いですよ」、と。
そして、こう語る。栗原さんは。
「私たち男の作品は、1円にもなりませんから。外のガタピシ自転車の作家と男二人でそう言ってます」、と。「はは、まあ」、と応じた。まさしく、その通りであるから。
雨が降っていたので庭の石黒作品の側には行かなかった。


その後、栗田美術館へ行ったら、そこにも小沢智恵子の作品があった。
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このような。
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大根を干しているような。でも面白い。惹かれる。
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≪種の記憶≫。
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小沢智恵子、マルチアーティストである模様。
不思議な作品、不思議な空間。とても面白い。