グレート・ミュージアム ハプスブルク家からの招待状。

第一次世界大戦の後崩壊するが、神聖ローマ帝国の後裔であるハプスブルク家の版図は宏大なものであり,ヨーロッパに君臨した。ナポレオンが現れるまでは。
そのハプスブルク家の歴代皇帝が蒐集した膨大な美術品は、今、ウィーンの美術史美術館にある。

ブリューゲルの≪バベルの塔≫を運んでいる。
ひと月少し前、ブリューゲル≪バベルの塔≫について記した。ボイマンス美術館の≪バベルの塔≫は見ていないが、美術史美術館の≪バベルの塔≫は見ている、と。この作品である。
なお、美術史美術館、ブリューゲルの作品を世界で最も多く所蔵する。デューラー、クラナッハ、ホルバイン、北方の巨匠の作品も多く持つ。
ルーヴルやメトロポリタンとは、やや趣を異にするが、ウィーンの美術史美術館、まさに堂々たる美術館である。

監督はヨハネス・ホルツハウゼン。
美術史美術館創立120年の大改修に密着したドキュメンタリーである。

ヨーロッパのグレート・ミュージアム、圧倒的な迫力で迫る。

ハプスブルク家の紋章「双頭の鷲」、ブリューゲルの≪バベルの塔≫。

ウィーン、美術史美術館、1871年にフランツ=ヨーゼフ一世の命により建造が始められ1891年に開館する。

この存在感あふれる人物は、ハプスブルク家の女帝、マリア・テレジアであろう。
マリア・テレジア、多くの子を成した。その子供たちに囲まれて。

本作、ソクーロフの『フランコフォニア ルーヴルの記憶』とは全く異なる。
ハプスブルク家の遺産をどのように継承しようか、という人がさまざまに出てくる。
館長、学芸員、修復家、財務担当者、さらに清掃員の皆さままで。
2、3年前のアムステルダム国立美術館を追ったドキュメンタリーを思い出す。2作創られた。
『ようこそアムステルダム国立美術館へ』と『みんなのアムステルダム国立美術館へ』。
ウィーンの美術史美術館のドキュメンタリーも、基本的にはアムステルダム国立美術館のドキュメンタリーと同じような視点である。
オイ、もうひと捻りあってもいいんじゃないか、と思われるところもあるがそれはそれ。

これはこれである。