THE BEATLES。

1964年のアメリカツアーの時であろうか、ザ・ビートルズの面々、「イギリスのプレスリーと言われていますが」、という質問を受ける。
1962年にデビューしたビートルズ、当初は確かにそのような受けとめられかたであった。特にエルヴィス・プレスリー世代にとっては。私もそうであった。
エルヴィス(そう言えば、エルヴィス・プレスリーのことを「エルヴィス」と呼ぶようになったのは後のこと、そのころはまだ「プレスリー」と言っていた)のイギリス版か、イヤな奴らが出てきたな、と思っていた。初めの頃は、関心はあったが好きではなかった。絶対の存在はエルヴィス・プレスリーだったんだから。
ザ・ビートルズに対し、「ウンウッー」って思いを持ったのは、ロンドンでのオノ・ヨーコの個展にジョン・レノンが行き、彼らふたりがどうこうと報じられてから。幾らか彼らのものを聴くようになったのは、その後である。
思えば、すべてはオノ・ヨーコがらみ。

『THE BEATLES』、監督はロン・ハワード。
タイトルの後に、「EIGHT DAYS A WEEK」、さらに「THE TOURING YEARS」とついている。
ビートルズ、デビュー翌年の1933年から1966年まで、世界各国でのコンサートツアーを行っている。本作、その模様を追ったドキュメンタリーである。
「1週間に8日働く」という彼らの最も忙しいピークの時期を追っている。そのツアーからツアーの日々を。

イギリス、リバプールの若者、1962年にデビュー、たちまちイギリス全土を席巻、翌1963年から世界へと。

1966年まで世界各国でのコンサートツアーを続けたそうだ。

その後はスタジオでの制作、1970年の解散まで。

映画自体は、1963年から1966年のビートルズ全盛期の有り様を追っている。
この後、1980年にはジョン・レノンがニューヨークで殺される。2001年にはジョージ・ハリソンが死ぬ。
残されたトム・マッカートニーとリンゴ・スターが出てきて語る。
この映画には、オノ・ヨーコとジョージ・ハリソンの未亡人も協力している。時が経ち、ごたごたとした感情の行き違いなど氷塊、どうってことなくなったんだな、きっと。

1週間に8日働くという過酷なツアーのドキュメンタリーであるが、最後にとても興味深い映像が流れる。
ロンドンのアップル・コア本社ビル屋上で、1969年突然ビートルズのメンバー4人が集まり、歌う。アップル・コア本社ビル、小さなビルである。その屋上もそう広くはない。
そこで、
その後の世に名高いルーフトップコンサートが突然行われる。
そこに、ビートルズのメンバー4人のそれぞれのパートナーも来ている。暫らく前、ジョン・レノンと結婚したオノ・ヨーコ、他のビートルズのメンバーのカミさんを蹴散らしていた。デカい顔をして主役を張っていた。
なんと。


北京、人民大会堂での中国共産党第19回大会、今日開かれる。習近平、3時間半に及ぶ演説をしたそうだ。
何て時代錯誤な。