新宿ゴールデン街 バー十月 犬飼三千子展。
新型コロナや猛暑であったこの夏も、気合を入れて活動していた作家はいる。何人かの方から、個展やグループ展の案内をいただいた。すべて失礼した。
犬飼三千子からもグループ展の案内が来ていたが、それは失礼した。しかし、9月下旬の新宿ゴールデン街のバー十月での個展は別である。行かざるを得ない。久木と語らって行くことにした。
今まで行っていた杉浦は今年はきついと言う。山宣を誘うと、厳戒態勢に入っているが来ると言う。山宣、カミさんにはゴールデン街どころか新宿へ行くとは言わず、銀座へ行くと言って出てきたそうだ。
今まではバー十月へ行く前には、「早い、美味い、安い」の清龍で下拵えをしていた。が、新宿を飛び回っている犬飼三千子、「清龍は潰れたのよ」と言う。そうか、清龍も新型コロナに抗しきれなかったようだ。新宿、歌舞伎町はやはり厳しいんだ。
4時に紀伊国屋の前で待ち合わせ、近場のライオンで下拵えし、ゴールデン街のバー十月へ。
午後5時半のゴールデン街G2通り。
右側、灯りが入っているのは十月のみ。
昨年の案内ハガキは洒落てたが、今年の案内ハガキは少し雑だな。
油性木版じゃないかな。
こちらは・・・
《リズム》。
犬飼三千子、以前からこういうような作品も創っていた。
この壁面。おいわばバー十月の主壁面。
《The Eternity》。
こちらえ。
カウンターの後ろ。小さな作品。すっきりと馴染んでいる。
どういうことだったかトランプがらみの話となった。
バー十月の和子ママ、トランプを猛然と攻撃し始めた。トランプを罵倒する。ゴールデン街に自らの店を開くにあたって、その店名に「十月」と記したガチガチのレフティーの和子ママ、気持ちいいぐらいに止まらない。
昔、若い頃、ご亭主の仕事の関係で5年あまりアメリカで暮らした犬飼三千子もこう語る。「何か行列があってそれが切られる時、必ず私の前で切られた」。「私たち日本人は、イエローなのよ。アメリカでは」、と。
人種差別は厳然たる事実。5年あまりアメリカに住んでいた犬飼がそう語る。
「あまびえ」の絵がある。十月に来る若い絵描きが描いたものだそうだ。
そのプリントアウトをもらった。
バー十月、開店15周年となるそうだ。記念のタッチペンをもらった。
5時半ごろバー十月に入った時には、客は誰もいなかった。私たちはカウンターに座っていた。その後、ポツポツと客が入ってきた。
[:p
私たちは隅の小さなテーブルへ移った。
パワフルな犬飼三千子。
犬飼、「菊が3輪って珍しいね」って言う。「菊じゃないのよそれは。八重の向日葵なのよ」と和子ママ。
八重のヒマワリなんだ。
小ぶりな向日葵、初めて見る。
7時半ごろ十月を出る。
少しは人が歩いているか。
この通りの灯りは、ひとつも点いていない。
NO TAX、NO CHARGE、ONE DRINK 500 YENのこの店の前も人がいない。昨年までは多くの外国人の若者が群れていたのだが。
今までとまったく異なるゴールデン街。これも時代の一状景か。
昨夜、またしてもトランプになるかと思ったアメリカ大統領選、今日起きたらバイデンが優勢になっていた。
トランプは悪あがきをしているようだ。トランプ、どこまでも汚い男、往生際の悪い男である。