Bar十月 犬飼三千子展。

この夏の暑さは異常であった。猛暑、炎暑、酷暑、まさに半端ないものであった。7月、8月の2か月間、ほとんど外へは出なかった。私など外へ出ては危ない、という状態であった。
この間、何人かの人から展覧会の案内ハガキをいただいた。が、すべて失礼した。どこへも行かなかった。犬飼三千子からもこの間に2、3枚の案内ハガキが来ていたが、すべてパスした。
9月に入ったころから、そろそろと動きだした。

例年通り、この時季の犬飼三千子のBar十月展。
この手づくりの案内ハガキも作品だ。
このところの犬飼展、Bar十月へ行く前に歌舞伎町の昇龍で下拵えをしていく。犬飼と4人の野郎、早い、美味い、安いの昇龍で、4時半集合。
その後、6時すぎ、昇龍を出る。

ゴールデン街だ。
大きな声で話す7、8人の中国人の一団が、この少し手前の右手の店に入っていった。何の店かと見ると、ニューハーフの店だった。彼らはどこでも元気だな。

Bar十月、1年ぶり。犬飼展の時のみとなった。

幾つものマスクがある。

和子ママは元気そう。
毎月メルマガが来るので、和子さんが毎月20本近くの映画を見ることを続けていることも、あちこちへ旅に出ていることも知っているが、1年ぶりに目にしてもやはりアグレッシブ。

犬飼の世界。


このマスクはシック。
今までに見たマスクとその色づかいどこか異なる。

鮮やかなグリーン、突然、大坂なおみを思う。

彩色されたテニスボールのようなものもあるし。

ライトの写りこみがあるが、この作品が面白かった。

この色調も。

この造形も。

それぞれの作品のタイトルや技法については触れなかった。
が、Bar十月での犬飼三千子の今年の展示、ここ数年の中では最も充実していた。マーベラス。

店内に「菊とギロチン」のチラシの束がぶら下がっていた。1枚取ってテーブルに置いた。
女相撲とギロチン社、いかにも新宿ゴールデン街である。
9時半ごろ、Bar十月を出る。3時間少しいたことになる。

ゴールデン街、年々外国人が多くなっている。
我々は、「ちょっとごめんなさい、横を通してください」って言って通りすぎる。

来た時にはほとんど灯が点いてなかったが、この時間には皆灯が入っている。
時間は9時半、ゴールデン街はこれからだ。

来る時には誰も人がいなかったここにも外国人が多くいる。
この店、こう書いてあるんだ。
”NO TAX、CHARGE、ALL DRINK’S ¥500”、と。税もチャージもなし、飲み物はすべて500円、と。
外国で飲み屋に入るには、ある種の緊張を伴う。ぼったくりバー、暴力バーじゃないか、と。何十年も前、ローマでぼったくりバーに入ったことがある。何十年もたつと、それも遥か昔の物語であるが、まあ、安心して飲める店だと事前に分かれば気が休まる。
すべての飲み物500円とのこの店、これじゃ外国人も安心して飲める。ゴールデン街に来る若い外国人、ワンコインの安い店でガンガン飲んでくれ。

犬飼三千子と4人の野郎どもの後期高齢者は、ゴールデン街を出て靖国通りへの道を帰る。

家に帰ってきたら、和子さんからのメールが入っていた。
このような写真が添付されて。その日のジジババ5人。
Bar十月、和子ママ、ヒマなのか、客はいないのか、と考える。