メリーオルゴールと歯ブラシ。

NAU21世紀美術連立展、新槐樹社展と同じ日時で同じ国立新美術館で開かれる。
f:id:ryuuzanshi:20200211161520j:plain
歯ブラシのアーティスト・丸山恵美子から連絡があり、見に行った。行くのは3回目だが、いつも不思議な展覧会だなと思う。
f:id:ryuuzanshi:20200211172301j:plain
色々なものがある。平面や立体が。入場は無料。
f:id:ryuuzanshi:20200211161823j:plain
昨年のNAU展で奨励賞を取った作家には、ある程度のスペースが与えられる。個展スペースとして。
この作品は・・・
f:id:ryuuzanshi:20200211161856j:plain
こういうもの。
f:id:ryuuzanshi:20200211162032j:plain
このスペースも昨年の奨励賞を取ったタシロサトミの・・・
f:id:ryuuzanshi:20200211162149j:plain
こういう作品。
≪relationship #31≫。
#31から#36まであったように思う。
まだ昨年奨励賞を取った作家の個展スペースがあったが、いきなり丸山恵美子とバッタリ会った。
f:id:ryuuzanshi:20200211162410j:plain
「貴女の作品はどこに?」って訊いて、ここに来た。
小さなおもちゃ、あのぐるぐると回るメリーゴーラウンドのようなものがある。その下に歯ブラシが。
f:id:ryuuzanshi:20200211162439j:plain
今回作のタイトルはこう。
≪回る惑星の上で回る≫。
f:id:ryuuzanshi:20200211162459j:plain
丸山恵美子の作品、観客参加型の作品である。見る人とのコラボで成り立つ作品である。
f:id:ryuuzanshi:20200211162519j:plain
この赤いポッチを押すと小さなベビーメリーが回る。
留められた紙片には、「ザーザー」とか「シャカシャカ」とか「つぶつぶ」とか「ドロドロ」とか「もそもそ」とかと書かれている。
ついている小さなオルゴールから歌が流れる、「ジングルベル ジングルベル」とか「きーよし こーのよる」とかの歌が。「クリスマスソングが入っているの?」って訊いたら、「いや、そうじゃない曲も入ってます。全部で35曲入っているので」、と作家の丸山恵美子は言う。
音が出て動くので、さまざまな人が寄ってくる。この人たちはどうしてNAU展に来ているのだろう、と思われる場違いなおばさんたちのグループも寄ってきた。「この人がこれを作った作家ですよ。ヘンというか、面白いでしょう」、とおばさんたちに話す。
f:id:ryuuzanshi:20200211162751j:plain
「そこに歯ブラシがあるでしょう。この人は歯ブラシのアーティストなんです」、と私。
丸山恵美子の作品を見るようになってまだ日が浅い。昨年のNAU展では、歯ブラシがバス停のベンチに座っていた。<言葉を待ちながら>。それ以前には、歯ブラシがベッドで寝ていた。「起こしてくれ」、と言って。今回の歯ブラシは、苔の生えた上のパイプいすに座っている。メリーオルゴールから流れる歌を聴きながら。
f:id:ryuuzanshi:20200211170606j:plain
いろいろな人が寄ってきたが、この二人は長い時間いた。20分以上30分近く。「面白い」、と言って。
左の男はインド人。真ん中の女性はドイツ人。右は作家の丸山恵美子。ブログをやっているのでそこに、と言って撮らせてもらった。彼らも私の写真を撮っていった。インドやドイツのSNSに載るのかも。日本のヘンなじいさんとして。
若いインド人もドイツ人も気持ちのいい二人であった。何しろよく笑った。