Ｇ２０ ＯＳＡＫＡ。

大阪湾の人工島・咲洲の国際会議場・インテック大阪は厳戒態勢にある。サミット会場周辺ばかりじゃなく、大阪市内全域が交通規制されているらしい。
が、不便ではあるが、道頓堀の食い倒れ太郎をはじめとする大阪の人たち、「よう、お越しやす」、と言っている。
Ｇ２０大阪サミットが始まった。
ＮＨＫの中継映像で追う。

昼過ぎの中継。まず記念写真。
Ｇ２０、Ｇ７にＢＲＩＣＳを加えさらにそれに次ぐ新興国で構成されるが、それにしては多くの人が並んでいる。Ｇ２０には入っていないが、会議に招待されている国がある。タイ、ベトナム、シンガポール、オランダ、エジプト、セネガル、スペイン、それにどこだったかあと１か国の合計８か国。さらに国連や世銀、ＩＭＦなどの国際機関。すべてひっくるめて３７の国と機関の首脳が並んでいる。忘れるところだったが、当然ＥＵも。
Ｇ７にしろＧ２０にしろ、首脳が並ぶ記念写真が面白い。各首脳の立ち位置が。
前列中央は今回の議長国日本の安倍晋三である。が、その隣にはトランプやプーチンでなくサウジ皇太子・ムハンマドと見かけぬ男が立っている。
こういう慣例だそうだ。議長国の右（向かって左）には次回の議長国首脳が、そして左（向かって右）には前回の議長国首脳が立つという習わしである、と解説にあった。
サウジの皇太子は、ＣＩＡでさえカショギ事件の黒幕と認定しているのに堂々とこのような国際会議に出てきている男。弱冠３３歳にしてサウジのほぼ全権を握っている。なお、安倍晋三の向かって右に立つ男は、アルゼンチン大統領のマクリ。
問題はその他の前列である。
次回議長国のサウジ皇太子・ムハンマドの隣にはトランプが並んだ。これは当然、妥当である。
が、その隣にはトルコのエルドアンが立っている。Ｇ７国を差し置いて。エルドアン、腕力の強さで知られる。エルドアンらしいな。と、その隣にはインドネシアのジョコが立っている。マクロンより内側に。ジョコ、前列にそれも中央よりにと狙っていたのかもしれない。
後列にメイの姿が見える。メイ、後継者が決まるまでということで首相を続けている。しかし、そうではあってもイギリスの宰相がこのようなところに並んでいるのは、寂しい感がある。後列の中央もインドのモディに押さえられているし。

向かって右側はこうである。
慣例だという前回議長国の隣はプーチン。これは妥当。その隣は習近平。これも妥当であろう、今現在では。しかし、その内、ロシアと中国の立ち位置は逆転するであろう。歴史はそう流れている。
こちら側でもちょっとした異変が起こっている。
習近平の隣には文在寅が立っており、その隣には南アフリカのラマポーザが並ぶ。メルケルを端に追いやって。これはメルケルの大人度の高さだな、と考える。
ポピュリズムの擡頭で苦境に立たされているメルケル、健康不安もあり再来年での引退を表明している。しかし、何のかのといってもメルケルだ。あと暫らくはトランプを諫めてくれなけりゃ。ヨーロッパの母を越えて世界の母なんだから。
だから、今のメルケルにとっては、立ち位置なんか「どうでもよろし」の心境であろう。

習近平とマクロン。

マクロンも国内に問題を抱えている。
しかし、今回のＧ２０大阪サミット、マクロンの動きが目立った。相手は安倍晋三だ、習近平だ、トランプだ、と。

全体会議に入る。
安倍晋三の両隣りは、トランプと習近平。

安倍晋三、こう切りだす。

次いで習近平。
この後、ＥＵ委員長・ユンケルの発言があり・・・

トランプがこう語る。
次いでＷＴＯ事務局長・アゼベドが発言し・・・

最後に議長の安倍晋三がこう総括する。
「大阪トラックを宣言する」、と。
私は、大阪トラックなんて初めて耳にした。「大阪トラック」って、何のこっちゃ。

習近平に較べ、プーチンの動きは少なかった。

ところで、「大阪トラック」って、こういうことらしい。
ワーキングランチの前、安倍晋三、笑みを漏らす。

今日の東京市場、兜町の前場の終値。
４０銭円高で、日経平均ほこう。今日、後場の終値は日経平均６０円ばかりの安値であった。
マーケットはＧ２０の成果を甘くは見ていない、ということであろう。

夕刻、ＮＨＫの大坂からの中継がまた始まった。
大阪城公園の中に「大阪迎賓館」というものがあるそうだ。大阪城には何度も行っているが、そのようなものがあるなんてことは、知らなかった。
安倍晋三夫妻が、黒塗りの車列で着く各国首脳を出迎えている。昭恵さんは和服。
マクロン夫妻が着いた。昭恵さん、マクロンとチークキス。板についている。

安倍晋三の首相の座が長くなっている。昭恵さんのファーストレディーとしての座も長くなる。
昭恵さんの存在感も高まっている。

８時前の大阪迎賓館、大阪城をバックにした首脳たちの記念写真。

これは珍しい。
安倍晋三も昭恵さんも、トランプもプーチンも習近平も、サウジのムハンマドもシンガポールのリー・シェンロンも、カナダのトルドゥーも、皆さんが笑っている。一体、どうしたことなんだ。
カメラマン、世界の首脳を一度に笑わせる呪文を唱えたのであろう。

国連事務総長のグテーレスは、今回のＧ２０の場での喫緊の問題はアメリカとイランの問題である。Ｇ２０の首脳、この問題を討議してくれ、と語る。
各国間で討議はされたが、どうなるものでもない。元はと言えば、トランプによるイランとの核合意の一方的な離脱にあるのだから。せんないこととは思うが、アメリカ国民はどうしてトランプを大統領にしたのだろうか、と。このような政治家とは言えない男を。
世界中が困っている。

今日の朝日新聞朝刊にこのような全ページ広告が載った。
「香港人は戦う」、「守るべきもののために」、というもの。
Ｇ２０大阪サミットに合わせ、自由のためにＧ２０で議論してください、ということで。
クラウドファウンディングで募金を募ったら、１日で日本円で約９０００万円が集まったそうだ。
で、イギリスのフィナンシャルタイムズ、アメリカのニューヨークタイムズなど世界の主要紙に今日、意見広告を出したそうだ。朝日新聞の朝刊の全ページ広告も。
中国は確実に強大な国になっていく。しかし、いつまで共産党の一党独裁体制を維持できるのであろうか。
あり得ないよ。
トランプも困るが、中国の体制も困るな。