令和の活用、今日が本番。

超大国アメリカとどうつき合っていくのか、いつの時代も問題である。
<今、アメリカに向かう覚悟が問われている。憎むにしろ、愛するにせよ、必死になって立ち向かうのだ。・・・。・・・。命を賭けてアメリカを考え、立ち向かう覚悟が必要なのだ>(鈴木邦男著『愛国と米国 日本人はアメリカを愛せるのか』 2009年 平凡社刊)。
民族主義団体・一水会の代表はやめていたが顧問の立場であった鈴木邦男はこう記す。
一水会、今では右翼団体とも名乗らず、鈴木邦男自身も顧問の立場をも辞しているが、その根底には反米愛国の流れがある。
アメリカとの対峙。アメリカへの思い。
戦後日本の宰相で強力な意志を持ち強大なアメリカと対峙していたのは、吉田茂である。私は、そう思う。
敗戦後の日本で、絶大な権力を持つ連合国軍最高司令官であるダグラス・マッカーサーと対峙した。「臣茂」として昭和天皇の戦犯訴追を防いだ。サンフランシスコ講和会議で日本の国際社会への復帰を果たした。すべて対峙する相手はアメリカであった。
吉田茂、葉巻をくゆらせながら日本人の矜持を持ってアメリカと向きあった。立場、信条の違いはあれ、日本人誰しもが吉田茂が戦後最大の日本の宰相だ、と思うであろう。
翻って、対抗馬がいなく長期政権となっている安倍晋三のアメリカに対する心根はどうか。
国士・吉田茂とは真逆である。
アメリカにすり寄っている。「臣茂」として天皇を護った吉田茂と異なり、天皇を自らの政策に利用している。

ゴルフだ、大相撲観戦だ、六本木の居酒屋だ、とおもてなしが過ぎるのじゃないの、という声もある。海外メディアにはゴマすり接待、と報じているのもある。
たしかに大相撲の伝統文化を破った行いはあり、私も不快な思いを抱いているが、ゴルフにしろ、大相撲にしろ、炉端焼きにしろそれはそれで、まあいい。トランプも喜んでいる。安倍晋三の策は当たった。
だが、本番は今日である。
安倍晋三、「令和」をとことん利用した。活用した。
「令和」という元号、万葉学者・中西進の案ではあるが、それを選考案の中にねじ込み、なおかつそれに導いたのは安倍晋三であるということは、今や一般に知られている。安倍晋三自身が「令和」を作った、と言っても過言ではない。
安倍晋三、天皇をコントロールしているのじゃないか。少なくとも、天皇を政治利用している。
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午後3時すぎ、日米首脳の共同記者会見が始まった。
まず、安倍晋三こう語る。
「日米の絆は盤石」、と。
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こうも。
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ドナルド・トランプ、こう切りだす。
この言葉、キモである。
4月に会い、6月にも会うのに、今月5月にも日本に来たドナルド・トランプ、何故5月にも来たのか。安倍晋三、トランプにこう囁いたそうである。天皇の生前退位、新天皇の即位について、200年ぶりの行事である、と。そして、こう言ったそうだ。
「スーパーボールの100倍」の行事であると。
トランプ、この言葉に食いついた。
で、トランプのこの言葉。
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トランプ、こうも。
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安倍晋三とドナルド・トランプ、こういうことを語った。
なお、この日米両首脳の記者会見の前、安倍晋三とドナルド・トランプ、その夫人共々北朝鮮による拉致被害者の家族と会った。1時間にわたり。しかもトランプにとっては2度目。これは安倍晋三の成果である。
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夜7時のNHKニュースでドナルド・トランプの今日の行動を追う。
7時、すぐに宮中晩餐会が始まるようだ。
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NHKにはその前の、今日のトランプの動きも流された。
宮中前庭での歓迎式典。
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陸上自衛隊儀仗隊が並ぶ。
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トランプ、閲兵。
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その後、宮中竹の間での天皇、皇后両陛下とトランプ夫妻。
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天皇とトランプとの会見は、贈物の交換も含めて15分程度のもの。
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そして、夜7時すぎの宮中晩餐会である。
200年に一度、スーパーボールの100倍も凄い、という安倍晋三の言葉にトランプは食いついた。安倍晋三、大袈裟なんだ。
ゴルフや大相撲や炉端焼きなどはあくまでも前座、トランプにとっては日本の天皇から宮中晩餐会へ招かれることこそ心地よいことこの上ない。代替わり後、オレが一番なんだから。
天皇皇后両陛下とドナルド・トランプ夫妻が招待客を迎える。
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今日の晩餐会への出席者は165人。まず最初は安倍晋三夫妻。
昭恵さん、今日は和服である。
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この赤系紫っぽい衣装の女性、昨日国技館にもいた強面のサラ・サンダース報道官である。皇后さまと握手。
次の女性は天皇と握手している。外国人である。日本人なら、天皇皇后両陛下と握手するなんて畏れ多いこと、そのようなことはしてはいけない、というのが身に沁みついている。
が、日本人が天皇皇后と手を握り合うのも、そう遠いことではあるまい。それが自然だから。
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宮中晩餐会は進む。
今上天皇、こう語る。
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先帝の上皇の行ないを述べる。
慰霊と国際親善、と。
で、新たな今上天皇はどうなんだ。それが問われる。
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ドナルド・トランプ、こう述べる。
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こうも。
レイワ・令和に触れるばかりか、万葉集、大伴旅人や山上憶良にまで言及する挨拶、さすがトランプのスピーチライター、安倍晋三の心をくすぐる術を心得ている。
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今上天皇のおことば。
先の大戦に関してはここまで。もっともご自身が生まれる前のことなんだから、と言えばそれはそう。しかし、引き継ぐべきことは引き継ぐ責務はおありであろう。
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これからの未来志向。