第103回二科展。

8月も終わりに近づき、そろそろ9月になるなという頃、今年も久保寺洋子からの封書が届いた。
<前略 今年の猛暑はひどかったですね。お変わりございませんか。お時間がございましたらおでかけ下さい>、という一筆箋と共に二科展のチケットが入っている。二科の時季なんだ。
時間があるもないも、古い仲間で一番しっかりしているいわば級長的存在の小澤が音頭を取り集合日時を決め、今年は14人が集まった。

国立新美術館の久保寺洋子の作品の前が集合場所。

入場時にくれる早見表では、久保寺洋子の作品は2階9室。
すでに来ている仲間がいる。その視線の先には・・・

ここにも。
久保寺の作品の前に。

久保寺洋子≪輪違屋Ⅱ≫。
久保寺洋子、来る年も来る年も輪違屋、その深部を突きつめている(のだろうな)。
いずれにしろ、「輪違屋 2018年バージョン」である。

今年は輪違屋の紋が衣桁に掛かっている。初めてじゃないか。工夫したんだ。

白い蝶は魅力的。

そろそろみんな揃ったようだ。

通りかかった若い男にシャッターを押してもらうことを頼んだ。
久保寺の作品の前で14人の仲間、ハイパチリ。

工藤静香の今年の作品。
工藤静香≪心の声B≫。
今年、下の娘さんがモデルデビューした。この絵のモデル、その娘さんだろうか、それともおねえちゃんなのだろうか。

以前から感じていたが、工藤静香、どうもグスタフ・クリムトが好きなんだな。

こういう展示があった。
一昨年、熊本を襲った大きな地震で被害を受けた西原村の小学校の子供たちに対する二科の支援である。

小学校の校長のことば。

二科の熊本支部長の支援のことば。

西原村の子供たちが描いた作品。
今、さまざまな美術団体、単なる作品発表というばかりでなく、社会との繋がり、社会貢献ということを模索している。二科ほどの大きな団体ならば、より探らなきゃ。
それはそうとし、二科展を見た後は、いつも通り、六本木の松ちゃんへ移動する。
松ちゃん、六本木の裏の裏。六本木とは思えないほどとにかく安い。元はと言えば、酔いどれスケッチの名手である石田宏が我々を誘った店である。

その石田宏、二科展には間に合わなかったが、松ちゃんへ駆けつけた。
ウッ、石田の顔面、鼻の上、目の間に白い絆創膏が貼られている。どうも酔っぱらってころんで云々こうなった、ということのようだ。
それがどうしたである。石田のこの笑顔に心洗われる。

7時すぎであったであろうか、私たちは帰る。
松ちゃん、六本木とはいえ表通りからは入った裏なので、住んでいる人もいる模様。赤ちゃんもいるのであろう。私たちは静かに帰る。


アメリカ中間選挙結果を受け、ドナルド・トランプは強がりを発している。上院で勝ったことを。下院で負けたことは意に介しない。
そうだよ、民主党、この程度の議席増では勝ったとは言えないよ。不足だ。完膚無きまで共和党・トランプを叩かなきゃ。去年、京都洛西の常寂光寺で会った「日本にいるとトランプのニュースを聞かなくてすむので、気が休まる」、と話していたカリフォルニアから来た親子のことを思う。おそらくあの親子、モヤモヤしているであろう。
それにしてもアメリカ、こんなことでいいのであろうか。世界のリーダーが務まるのであろうか。
アメリカには素晴らしい人もいる。が、トランプの言うこと以外はすべてバツ、というトランプ万歳の連中がそれほどにいるなんて。
アメリカ、お前は本当に先進国か。