紙一重、しかし、その一重は大きく深い。
サッカーW杯ロシア大会の西野朗率いるジャパン、グループリーグ最終戦の対ポーランド戦でとった行動は誰が何と言おうと容認できないが、今日未明の決勝トーナメント初戦の対ベルギー戦は見応えがあった。
日本はキャプテン長谷部以下初戦、第2戦と同じメンバーで臨んだ。
なお、このゲームを裁く主審、副審の審判団はセネガルの審判である。セネガル、日本とのフェアプレーポイントなる不思議なもので決勝トーナメントへの進出を阻まれた国。FIFAは何てことをするんだ、という声もあったが、セネガルの審判団、立派な笛を吹いていた。
ワントップ大迫、トップ下香川、サイドに原口と乾、キーパーは西野朗の当然川島。
日本、円陣を組む。
試合が始まる。
日本はいい入り方をした。
何よりも、ゲーム開始直後、両軍を通じて初、香川がシュートを放った。惜しくも枠は捕えなかったが、いいぞ、いけっって感じの出だしであった。
防御の要・吉田麻也も川島永嗣も。
日本はベルギーのエースストライカー・ルカクを抑え込む。
本田圭佑への思いは強いものがある。なお、植田は今大会は出番がなかった。次回大会で、といった選手である。
ベルギー、何とはなしに「こんなはずでは・・・」、ということを感じている。エース・ルカクはじめ皆さん下を向いている模様。
翻って日本、長友、長谷部、香川、原口、気合が入っている。
後半が始まる。
日本、メンバー交代はなし。
後半が始まる。
後半3分、原口、シュートを放つ。
ベルギー左ゴールネットに突き刺す。
日本、先制する。
その4分後、後半7分、乾のシュートが生まれる。無回転の美しいシュート。
ゴールネット右に突き刺さる。
ルカクと競り合う吉田麻也。
この前後、ベルギーは選手交代を2枚切る。
190センチを超える選手を投入してくる。
後半24分、ああー。
その5分後、またもベルギーに得点を入れられる。
2対2の同点となる。
歓喜するベルギーサポーター。
このゲーム、日本とフェアプレーポイントの差で決勝トーナメントへ進めなかったセネガルの審判団が試合を進めた。
セネガルの審判、公正で毅然とした試合運びをしていた。
後半も残り時間10分、日本は選手交代に動いた。
本田圭佑と山口螢を投入した。
残り時間5分の西野朗。
試合後、西野朗、こう語っている。
2対0となった時、ディフェンシブにということも考えた。しかし、状況はオフェンシブ、追加点が入る状況であった。選手交代の決断は考えられなかった、」と。
西野朗のこの判断、全面的に肯定できる。
2点先行した状況での日本、いける、勝てる、という状況だったもの。
残り時間1分、日本はフリーキックを得る。
ゴールからは距離があったが、本田がゴールを直接狙う。
本田のシュート、枠を捉えていた。が、ベルギーのキーパーに阻まれる。
延長戦かと思われたその直後、ベルギーにゴールネットを揺らされる。
日本、敗れた。
この日、ゴールをあげた乾もこの表情。
日本敗北後の本田。
今回で日本代表を退くと語った。
キャプテンの長谷部も。
川島。
ファインセーブとこれはとめてくれというのが入り混じる。川島も今回で、ということになるのであろうか。
敗れたが、長友は上を向いているな。
西野朗、感想を求められ、10秒ばかり声が出なかった。
そして、「相手を追いつめたが、何が足りないんでしょうね」、と語る。
そうなんだよ、その何か。
それが、大きく深い。