ホント、これでいいのか。

昨日のW杯ロシア大会グループリーグ最終戦での西野朗の采配、負けているにも関わらず自陣でのパス回しを続け、それ以上の失点を避け、敢えて負けることを選択した西野采配についてである。
西野朗は、同時刻に進行しているコロンビア対セネガル戦でのコロンビアの勝利に賭けた。残り時間10分もあるのに。日本の決勝トーナメントへの進出を他力に縋った。他力本願である。
コロンビアのイレブンを阿弥陀仏に模したのだが、親鸞の唱えた他力本願とはほど遠い。親鸞の他力の美がない。他力でありながらエゴが透けて見えるからである。何より、戦うべきであろう。日本の運命をコロンビア、そしてセネガルに委ねるなんて、こんな戦いなんてあるものか。
ところがである。この日本の戦い方、サッカーの専門家たちからは概ね支持されている。
サッカー界の実力者である川渕三郎や岡田武史はじめサッカーに関わる皆さま、おしなべて西野采配を肯定している。「批判されるものではない」、「悪質な反則をしたわけではない」、と。「成長した」、「成熟した姿」などと。
あの西野采配を批判すれば、日本のサッカー界では今後生きていけない、とでも皆さま考えている模様。唯一異を唱えているのは、何によらずすべてに噛みつくセルジオ・越後ぐらいである。「正々堂々と戦っていない」、と。
ホント、これでいいのか。
サッカーW杯、サッカーの試合ではあるが、出場国そのもののイメージを示す場でもある。
日本のゲームは、日本という国のイメージを左右する。ただ勝てばいい、決勝トーナメントへ進出すればいい、ということではない。それが解っていない。残念だ。
日本の対ポーランド戦の模様についてほぼ全世界のメディア、こう伝えている。
「恥」、「嘆かわしい」、「汚い」、「ナンセンス」、「臆面もなく」、「醜悪」、・・・、このような言葉が連なる。
ホント、これでいいのか。
言いたいヤツには言わせておけ、で済むのか。
黄熱病の研究でアフリカへ渡り、その地で自ら病に倒れた野口英世、リトアニアの地で、日本政府の方針に反しながらも約6000人に命のビザを与えた杉原千畝、そして大国ロシアのバルチック艦隊を日本海で迎え撃ち撃破した極東の小国・日本のアドミラル・トーゴー・東郷平八郎、これらの人たちによって日本という国は世界からリスペクトされている。とりわけ非西欧世界の国々の人々から。トルコへ行ったり、エジプトへ行ったり、また他のアジアやアフリカの国に行けば何となしに分かるシーンがある。
一昨日から昨日にかけてのW杯での日本の行ない、確実に日本のイメージを損ねている。サッカーを超えた問題なんだよ。
ホント、これでいいのか。