ザックは、運が強いな。

キューウェルとケーヒル、という名前ばかり聞いていたような気がする。
今日のアジアカップの決勝戦、オーストラリアの２トップの名だ。ともかく、ロングボールをどんどん２トップに入れてくる。キューウェルとケーヒルに。そうであるからこそ、今日のゲーム、川島永嗣のためのゲームだった、と言ってもおかしくない。

例えば、この場面。日本のゴールポストの中に入っていたんじゃないか、とも思われた。しかし、川島、防いでいた。

川島、ハジいたのか。

こんな場面も。

ともかく、攻めに攻められる。川島の出番は多くなる。

オーストラリアの攻め、単調と言えば単調。高さを生かし、日本ゴール前にロングボールをあげる、ということだから。徹底している、と言えば、徹底している。川島、ファインセーブを繰り返す。

この場面、危なかった。川島、腕一本で止めた。

前後半で決着がつかなかったゲーム、またも延長戦に入った。途中出場の李忠成が鮮やかなボレーシュートを決めた。李忠成、よく知らなかったが、在日４世の若者、何年か前に日本へ帰化した、という。ガッツのあるフォワードだ。
このシュート、長友佑都の絶妙なクロスから生れた。
ザッケローニ、ゲーム後半、勝負を賭けた。サイドバックの長友をトップ下に上げた。それでなくとも、駈け上がる長友、ザックの期待に応えた。フォワードの李の途中投入もそうだ。ザックの采配、冴えていた。
思うように選手が働いたザック、運が強い監督だ、とも言える。

川島もよくやったし。

ゲーム終了後、長友、韓国戦で足の指を折り、このゲームに出られなかった背番号１０・香川真司のユニフォームを掲げた。右にいるのは、本田圭佑だ。

本田、この大会全体のＭＶＰに選ばれた。
本田、今日のゲームでもよくやった。本大会、ゴールもあげている。だが、私は、大会ＭＶＰには、長友佑都をあげたいな。ゴールは揚げていないが、日本の勝利、そのすべてに長友が絡んでいる気がする。身体は小さいが、ともかく俊敏、大きな相手に負けない。守りばかりか、攻めにおいても。
だから、私のＭＶＰは、長友佑都。
大会のフェアプレー賞には、韓国のパク・チソンが選ばれた。これは、納得できる。パク・チソン、今回で代表チームからは退く、という。手強い選手であったが、とてもいい選手だった。

アジアカップ王者、日本となった。厳しい試合が続いたが、ザッケローニ、運も味方につけ、素晴らしい采配をした。
ザック、イタリア人にしては生真面目な男だが、運の持ち合せのある男かもしれない。