版画家 Allumage展。

銀座1丁目、K’s Galleryでの今年の「版画家 Allumage展、山宣のGROUP表現と同会期、はしごする。

この色調、色感がいい。

アルマージュ、たしか「点火」という意であった。
17人の版画家の今年の「点火」。

どのようなギャラリーも、入口に工夫を凝らす。
K’s Galleryの入口は、この三角窓。

中へ入る。誰もいない。

犬飼三千子の作品はこちらにあった。

この3点。
いずれも木版画。
左の作品から。
犬飼三千子≪流れの上に≫。

犬飼三千子≪往にし方(イニシエ)≫。

犬飼三千子≪花に寄せて≫。
いずれのタイトルも犬飼三千子が今まで多くの作品につけてきたものであり、作家・犬飼三千子の中ではそれぞれのタイトルのコンテンツがあり、それによって描き分けられてきたものであろう。
その中で私が好きなものは≪花に寄せて≫である。
巨大花・ラフレシアを思わせるフォルムが描かれている。この作品もそうである。周りには切り取られたラフレシアの片々が飛んでいる。ラフレシアにしては抑えの利いたこの作品の色づかいもいい。美しい。

笠井順子の作品があった。
笠井順子さんには2、3年前、犬飼も参加していた女流6人による版画展の時に会った。犬飼三千子の作品と一緒に、貴女の作品も私の雑ブログに載せてもいいですかって訊いたら、はい、どうぞよろしくということで、笠井さんの作品も載せたことがある。
今回、笠井さんにはお会いしなかった(そう言えば、犬飼三千子や笠井さんばかりじゃなく、私がギャラリーにいた間、誰にも会わなかった)が、笠井さんの作品も紹介しよう。おそらく、了とされると思うので。
2点共、木版リトグラフである。

笠井順子≪庭の話≫。
不思議なフォルムが描かれている。とても面白い。興味深い平面である。
花のようでもあり、実のようでもあり、蕾のようでもある。或いは現実を超える何らかの物体であるのかもしれない。その色調も合わせ不思議。

笠井順子≪森の話≫。
数年前、笠井順子の作品を見た時、ルドンを思わせる色調だなと思った。この作品も。

帰る時、K’s Galleryの外へ出て振りかえる。
三角窓の向こうに犬飼三千子の作品が見えた。


今日来た郵便物の中に犬飼三千子からの封書があった。封を切ると、展覧会の案内ハガキが3枚出てきた。既に会期末に近いものもある。それには行けない。努力目標として二つ。ギリギリひとつは見に行くこととする。
それにしても犬飼三千子、誘われたら断らないと豪語しているだけあって、年間の作品発表10回じゃきかず20回やそこらには及ぶのではないか。パワフル。