山岸忠正油絵展。

有楽町駅前の東京交通会館の地下には、画廊が3つか4つあるそうだ。2月初め、その中のやや広めのギャラリー・ゴールドサロンで山岸忠正の油絵展が催された。

山岸忠正は、学生時代のサークル仲間である。リタイアした後、絵を本格的に描き始めたそうだ。先生にもついて。
日曜画家ならぬ毎日絵描きに近いのかもしれない。

会場に行くと、既に何人かの古い仲間が来ている。
それよりも驚いたことがある。学生時代のサークル仲間の展覧会は時折りあるが、幾つもの花が贈られている展覧会は珍しい。

このように。

山岸忠正の作品、昨日触れたシュールにも通底するハイパーリアリズムとは異なり、オーソドックスな具象である。正統派と言ってもいい。

そのテーマは、人物や風景が多い。

パーティションで区切られた壁面に多くの作品がかかる。3、40点あったのではなかろうか。

左と中央の作品の間に紙片が貼ってある。

このような。
山岸忠正の画歴。
山岸、リタイアした後、藝大の先生などについて絵を勉強しているんだ。

この絵には見覚えがある。
≪帰帆≫。房総の港町っていつか言っていた。
学生時代の仲間との前回のグループ展に出展してあった作品である。山岸忠正の自信作、お気に入りの作品らしい。
赤丸がついていた。
この作品ばかりじゃなく、赤丸のついている作品が多かった。山岸に訊くとこう言っていた。「そうなんだ。皆知り合いばかりだから、額縁代だけにしてるんだ」、と。なるほど。
[
≪愛犬と初孫と私≫。
”私”を少し若く描きすぎているが、幸せーって作品だ。

山岸忠正、この作品について何やらレクチャーをしている。何やら話している。

この絵である。
山岸忠正≪神の池(大宮・氷川神社)≫である。
山岸忠正、こういうことも言っていた。
「風景を描く時には、イーゼルを立てた上にキャンバスを乗せ、油絵具で描いている」、と。印象派の絵描きと同じじゃないか。セザンヌやゴッホと同じって、その描く様。イーゼルやキャンバス、油絵具をその場に持っていって描いているんだ。
「神の池」もそうして描かれたんだ。そう言われると、モネあたりの手が入っているやにも思われる。