パリ+リスボン街歩き  (33) 絵描き乃至絵売り。

町中で見かける絵描きも、少なくなっているような感じがする。もちろん、あくまで町の中の絵描き、アトリエで描いている絵描きのことではありません。似顔絵描きも含め、風景としての絵描き。

雨が降っているからばかりじゃなかろう。
モンマルトルのテルトル広場といえば、似顔絵描きや風景画などの絵売りのメッカ。そのような人が大勢いたが、少なくなった。雨のせいばかりじゃない。

そのような中、雨が降るにもかかわらず、ペインティング・ナイフで絵具を塗るこのオバさん絵描き、とてもパワフル。
絵描き乃至絵売り、いや、絵描き兼絵売りとして何十年、グータラ亭主なんか早くに見限り、3人の子供を育ててきたんだ。絵筆一本、ペインティング・ナイフ一丁で、という気迫がある。

売り絵、まあそこそこ売れるんだ。安いものでは、2〜30ユーロ程度。
これは、オルセーの前。丁度一枚買っている人がいた。

この人は、オルセーの横にいた。オルセーの庇を借りる感じで絵を描いている。
売り絵ではあるが、オレのは単なる売り絵ではないぞ、ということも多少は訴えているような感もある。絵描き乃至絵売りである。

ポンピドゥーの前には、似顔絵描きは2〜3人しかいなかった。
この人は、自らの仕事に誇りを持って取り組んでいるのが見てとれる。気合いを入れて、若いお嬢さんの顔を描いている。10数年、いや20年近く前、ここ同じ場所で似顔絵を描いてもらったが、その似顔絵描きも気合いが入っていた、という思いがある。
似顔絵描きにしろ、風景画などの売り絵を描いている絵描きにしろ、概ね皆さん、気合いが入っている。”絵描き乃至絵売り”、ではあるのだが。

ルーヴルのすぐ前、パレ・ロワイヤル広場にこんな絵を描いている人がいた。
ずいぶん大きな絵だ。チョークを使って描いているようだ。右の方に、ヘルメット・アーティストと描いてある。売り絵ではない。路面にチョークで描いてあるのだから。
でもしかし、前の方に小さなカンが置いてある。よろしければ、ご喜捨を、である。
絵描き乃至絵売り、とは言えないかもしれない。でも、これも、その一形態。

世界中あちこちにあるスプレーを用いたストリート・ペインティング、パリにも多くある。
考えてみると、これだけは”絵描き乃至絵売り”ではない。
スプレーで描く絵描きがいる。しかし、その男か女は自ら描いた絵を売ってはいない。だから、”絵描き乃至絵売り”ではない。ピュアな絵描きと言ってもいい。

ところで、どういうことかは解からないことがある。
暫らく前から、その日に打ったブログが出てこない。理由があるはずだが、それが解からない。
今日、6月8日、私は、「絵描き乃至絵売り」というタイトルのものを書いた。いま、私のブログを見てくださっている方々、それが出ているであろうか。私のパソコンには出てこない。ブログトップは、前日の「ワンちゃん」が出てくる。
もし、貴方のパソコン画面がそのようなものであれば、画面上の方の「記事一覧」をクリックしていただきたい。前日のものでなく、その日のブログが出てくる。今日なら、「絵描き乃至絵売り」というタイトルのものが。
面倒なことではあるが、暫くの間、そのようにしてください。