TOKYO PIXELS 2014展。

日本には何でこんなに絵描きが多いのか、と思うことがある。
私の周りにも多くの絵描きがいる。もっとも絵で食っている者は、数年前に島谷晃が死んで以来いない。が、日夜絵を描いている連中は何人も。いや、それ以上。
その中で最も数多く発表の場を持っているのは、犬飼三千子である。個展は1、2年に1回程度であるが、団体展、グループ展は四六時中。案内が来たものすべてを観に行っているワケではないが、まあ行く。
それ故であろう、あまり遠方での展覧会の案内は来ない。犬飼三千子も気を遣っているんだ。
10月半ばごろであったであろうか、犬飼からグループ展の案内状が届いた。会場は、アートガーデンかわさき。川崎に行くのは何十年ぶり。10月末、行った。駅も駅前のビルも大きいのに驚いた。

会場入口には、この看板。

「アート・コラボレーション TOKYO PIXELS 2014」、50人ばかりの作家が出展している。アートガーデンかわさきなる会場も広い。

犬飼三千子の作品、ここにあった。

ここに。

タイトルは、≪花によせて≫。
犬飼三千子、このタイトルを持つ作品を数多く描いている。

世界で一番大きな花は、ラフレシアという花だそうだ。
形が似ていたり、色が似ていたりしているワケではない。しかし、犬飼三千子の≪花によせて≫シリーズの”花”を観ると、いつも写真でしか見たことがないラフレシアの花を思いだす。

リタイアした後、自宅を改修アトリエを造り、”毎日絵描き”を続けているY.S.は、犬飼のこういう作品を観る度にこう言う。「こういうような色調、とても不思議だ。考えられない」、と。
”毎日絵描き”ではない私も、「不思議な色づかいだなー」、とは思っている。

入る時には気づかなかったが、TOKYO PIXELS 2014の左の小部屋では、岡本太郎の作品が展示され、映像も流されている。
そう、川崎には岡本太郎美術館がある。青山とは別に。

その開館15周年を記念し、11月初めにTARO祭りが開かれる、という。そういや岡本太郎、祭り好きだったな。


この時だったか別の時だったか、犬飼三千子から来た手紙の中に、このようなことが書かれた小さな紙片が入っていた。
曰く、「文化庁と総務省の助成金事業の岩手県土澤の「街かど美術館2014」に参加することができました。神社の正面と側面に作品を展示しました。後ほど、写真をお送りします」、と。
暫らく後、メールで写真が送られてきた。

この小さな写真。
左の作品が犬飼三千子の作品。
今年で6回目を迎えるという岩手県花巻市土澤の街かど美術館、「アート@つちざわ(土澤)」で検索すると、犬飼三千子の作品は鏑八幡神社の社殿に展示されている。タイトルは、≪落花流水・往にし方≫。
東北の神社とコンテンポラリー・アートとのコラボ、いいんじゃないか。
ましてや、岩手県ということなれば。