現代の写実−映像を超えて展。
現代の写実、リアリズム、それはどのようなものか。
映像は、そのものをそのままに映す。ではそれを超える現代の写実、リアリズムとは。
年初、会期末ぎりぎり観に行った。
東京都美術館、地上階は特別展が催される。
そして、下の方、地下のギャラリーでは時折り興味深い展覧会が開かれる。
上から眺める。
今回のこれも・・・
面白そう。
都の事業なんだ。
挨拶の一部。
フラッシュや三脚を使わなければ撮影はOK。
このような環境、だんだん増えてきている。
地階へ下りる。
塩谷亮≪草音≫。
油彩、キャンバス。
少し近づく。
美男美女、若い男女の髪、肌。そして中央の蔦。さらに背後の腐食した板。まさに写実。
塩谷亮≪煌≫。
油彩、板。映り込みがあるが、シュール。
塩谷亮≪碧音≫。
油彩、板。大きなフジツボ、これもシュール。
小森隼人≪黄色い果実と赤い柘榴≫。
油彩、キャンバス。彩色
近寄る。
ンッ、シャルダンを思わせる。
シャルダン、ロココ期のフランスの画家。250年ぐらい前の絵描きである。
シャルダンにもこのような静物画がある。柘榴などの果物が描かれた作品が。
螺旋状に剥かれたレモンの皮、割られた柘榴の実、ハイパーリアルである。何故にここまで、とも思う。
リアリズム、とことん突きつめることが必要なんだな、どうも。
小田野尚之≪発電所跡≫。
紙本彩色。
近寄る。
何なんだろう。不思議な物語りが生まれ出ずるような。
元田久治≪Foresight:The Eiffel Tower,France Ⅱ≫。
エッフェル塔である。
鉛筆、ペン、水彩、紙。気が遠くなるような。
ウヘッ、このように。
元田久治、エッフェル塔の何倍もであろうUAEのブルジェ・ハリファもこの調子で描いている。鉛筆とペン、そして水彩で。
何を表現したいんだろう。遥か彼方に到達点のあるその過程に、意味を見いだしているのであろうか。
向こうの方に不思議な作品が・・・
そう、これ。
蛭田美保子≪光来フラガンシア≫。
油彩、キャンバス。
緻密に描かれるトウモロコシに宝飾品、如何なる意味合いを持つのか。よく解からない、という以外解からない。
じゃあ美しいか。そうとも思えない。
しかし、これがコンテンポラリー・リアリズム、現代の写実を表わす作品のひとつってことなんだな。
稲垣考二≪三面≫。
油彩、パネル。
大きな作品である。天地4メートル、左右10メートル近くある。
稲垣考二、人間の皮膚感覚を描きだす。リアリズムを超えて。
そのまま写し取る映像・写真を超える状況を描きだす。
これは・・・
琳派を思わせる艶やかな屏風である。
左は、岩田壮平≪こい≫。
絹本彩色。
濃い琳派である。
右は、岩田壮平≪花の形≫。
絹本彩色。
宗達、光琳、抱一の系譜を突き抜けた琳派と言えようか。先人たちには少しばかり失礼ではあるが。
リアリズム、リアルな表現・リアリズム。未来永劫、消え去ることはない。しかし、光る表現はそう生み出せるものではない。
昨日、トランプはアメリカの在イスラエル大使館をエルサレムに移した。
国際世論にはまったく反する決定である。トランプのアメリカ国内の選挙対策のため。ガザ地区では抗議デモにイスラエル軍が発砲、既に60人が死んでいる。負傷者は千人の単位。パレスチナの民が死ねば死ぬほどトランプの支持層は固くなるようだ。
トランプ、中東の地に和平をなんてことを言っている。バカも休み休み言えってところだが、これが世間じゃ通用してしまう。
ヤだね。
岸井成格が死んだ。
毎日新聞の記者であった。
昔、現役時代、朝毎読の人たちとの接触があった。
朝毎読三大紙とはいえ、毎日は朝日や読売に大きく差をつけられていた。部数では、読売、朝日、遥かず〜と離れて毎日であった。また、外からみても朝毎読の記者の経済状況も自然に感じられた。毎日は厳しいな、と。
だから、私は毎日贔屓となった。判官贔屓である。
で、岸井成格にも。
アメフト、関学と日大戦の模様が問題となっている。
5、6年前であろうかもう少し前であろうか、鹿島建設のアメフト部・鹿島ディアーズの人と知り合い、何度か東京ドームに鹿島ディアーズの試合を見に行った。で、幾ばくかはアメフトのルールも知っている。
リプレイ映像を見る限り、日大選手の行ない如何なる釈明もできないものである。気の毒とは思う。が、身を引くべきであろう、アメフトの世界から。